第4話

【 日常モノ篇 】第1話『 みらくる ─ 。 』
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2025/10/31 11:00 更新
────あの地獄みたいなコロシアイが幕を閉じてから、約半月後。
その日ははるやと組んで“ 絶望に染まった世界の復興 ”を目指していたんだけど、その途中で異質な『 水色の扉 』を見つけたのだ。
気になったおれはもちろん、はるやも疑ってはいたが。
“ 開けるだけなら ”と許可してくれたので、ふたりでその扉を開けた。
しかしその時、溢れ出した眩い光におれは思わず目をつぶってしまい───
 
終二
.......んーーーー...........
 
で、名前も知らぬ高校の教室、そこの窓側の隅にある席で、
おれは今スマホをいじっていた。
......いや、目を開けたらかあさんの声が聞こえたし、
なんかパジャマ着て寝てたし、
学校に遅れるとかなんとかなんとか........
どうやら、おれは“ どこかの世界 ”に飛ばされたようだった。
 
終二
(まあ、これが夢......なんて可能性も、ありそうにはありそうだけど)
 
さすがに現実味がありすぎる。
......と、思っている。
 
終二
......はるやらしき名前はなし、と
 
ちなみに、おれと一緒に扉を開けたはずのはるやはいまだに見つからない。
“ ここ ”にはいないのか、それともいるだけで見かけていないのか......
チャットアプリで連絡が取れるかと試してみたが、
ここのおれははるやとは個人チャットを繋いでないらしい。
 
終二
......知らねえやつらばっっっか......
 
『 おっ一ノ瀨! やっほー!! 』と挨拶されてふとそいつの顔を見ても、それはまったくもっておれの記憶に存在しない友人なのだ。
まあ.....なんだろうか、学校に行く時もその時も、
この世界の“ 記憶 ”が頭の中に入っているのか、一応乗り切れはしたんだけどな。
でも、知ってるやつがいない。
はるやだけでもいてほしい......!!
 
終二
......はるやじゃなくたって、これが夢なら“ あいつら ”も───
終二
いや、.......ない、よな
 
──美味しいミルクティーの作り方を教わる予定だった。
また稽古をつけてもらう予定だった。
......おれ達がいる世界じゃないのなら、そんなあいつらが存在してもいいのにな。
 
なんて考えごとをしていると、いつの間にかチャイムが鳴ったのか、教室が騒がしくなり始めた。
4時間目の授業はチャイムが鳴る前に終わらせたので、周りが自習をしている間にこっそりとスマホをいじっていたのだが......
 
終二
あ、昼か
終二
ぼっち飯......んー、中一を思い出すな!!
 
弁当は持ってきていないので、購買で買って、ついでにはるやも探し───
 
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
おーい、一ノ瀨!
宮野が呼んでんぞー
終二
はー..........ぁ、
終二
え........?
 
自分の名前が呼ばれたので、適当に話を聞いて返事をしようとしたが。
『 呼んでる 』と言っていたその“ 名前 ”の既視感を思い出した途端、おれは机に滑り落ちるスマホを気にする間もなく、廊下をバッと見た。
そこには。
 
織桜
......お前、スマホ大丈夫か??
 
───“ 宮野 織桜 ”が、いた。
終二
あーー保護つけてよかった!!
......見づれぇ.......
織桜
だろうな。
放課後買い直しに行くか? 俺も今日は部活ないし、着いてくからさ
終二
......んー、明日でいい?
今日はおれの方が用あって、ムズそうだし
織桜
あー
 
......表ではこうやってたわいのない会話をしているが、おれの内心はこれでもかというほど荒れている。
りお、りおだ。
姿も身長も声も口調も性格も“ 宮野 織桜 ”だ。
いや、確かに願っていた。
でもまさか......、嘘じゃ、ないんだ。
ただ。
 
終二
(......あくまで、おれ達の知ってる“ りお ”じゃないってことか)
 
りおの記憶は“ この世界ですごした ”ものになっている。
多分こいつは、おれの世界の“ 宮野 織桜 ”ではないんだろう。
........でも、それでも、嬉しかった。
りおがいることが、また、話せることが。
それに、りおがいるなら、ほしのだって。
79期生がいるなら、他の79期生だって。
超高校級がいるなら、他の超高校級だって。
もしかしたら.........、
 
織桜
......あ、そういえば
織桜
一ノ瀨、今日の購買メニューは“ 野菜マシマシサンドイッチ ”らしいな
終二
マジで!?!?
 
それはもう、かんっぜんに、おれのために作ったと言っても過言ではないメニューだ。
絶対にそれを選ぼう。
......ま、詳しいことはまた後でだな。
今は、りおと一緒にいれるこの時間を楽しむべきだ。
 

そして話しながら購買に向かったが──
 
終二
........は、何この混み具合
織桜
........“ カレー ”?
終二
カレーあんの......!?
 
購買が異様なほど混雑していて、肝心の野菜マシマシサンドイッチがどこにあるのか分からない。
これほぼ全員カレー目当てってマジか、
校内人気ナンバーワンだろうなあ......
 
終二
(.......ん?)
 
ふと、申し訳程度に設けられたフリースペースの方を見る。
──そこには、緑色の髪をサイドに束ねたやつが......
 
終二
(────“ はるや ”!?)
終二
りお、ごめん!
財布渡すからサンドイッチ買っといてくれ!!
織桜
いやちょっ、おい一ノ瀨───
 
はるやだ。
制服をまとっていて少し違和感があったが、あの姿は間違いなく。
りおに財布を預け、おれは人混みをかき分けながら購買の奥に向かう。
 
終二
はっ......はるや!!
晴也
......一ノ瀨!?
晴也
よかった、お前も“ ここ ”に......
終二
......ああ。ちゃーんと、おまえと一緒に扉を開けた“ 一ノ瀨 終二 ”だからな!!
晴也
いや、それはお前が俺のところに慌てて来る時点で察していたが
終二
はあ!?
おまえっ、おれの優しさを踏みにじんなよ!
 
“ ここ ”と言っていたから、このはるやも『 おれの知っている 』はるやと見ていいだろう。
そして向こうも、おれがちゃんと『 一ノ瀨 終二 』だということを理解してくれたようだ。
 
終二
(......あれ、ていうか......)
終二
なあ、はるや。
お前“ も ”って、どういうことだよ?
晴也
ああ......そうだな、
ここで話すには長くなるから、中庭や屋上にでも移動しないか?
 
はるやは少し考えたあと、おれにそう説明する。
......うーん、無理か。
りおとの時間も大切にしたいしはるやともすぐに話したいけど......
残念ながら、時間をねじ曲げるほど“ 超高校級の不屈 ”は強くない。
 
終二
それ、放課後でも大丈夫か?
晴也
あ、ああ。
別に構わないが......
終二
じゃあ、放課後で!
昼は友人と食べるって約束しちゃったからさ
終二
ってことで、放課後屋上な〜!
 
りおにはるやのことを説明するのはめんどくさい。
いちいち頭の中でどういう関係にさせるか整理が必要だし......
だからおれ達の会話を見られる前に、約束だけしてはるやと別れることにした。
 
終二
ほんっとりおごめん!!
ちょっと用があってさ......
織桜
仕方ないな......ほら、買っといてやったぞ
終二
マジでありがと......
 
りおはおれの不振な言動について、特に怪しむような姿勢は見せなかった。
それがなんともありがたくて、でも口に出しては言えないので、先ほどの感謝にその気持ちも含めておく。
よし......とりあえず、はるやには伝えたいことを伝えきれたし。
これならチャット交換しなくても、齟齬が生まれな───
 
終二
(........あ、チャット交換すんの忘れてた......)
 
......そんな後悔を残しながら、おれとりおは中庭に向かっていった。
 
第1話『 みらくる ─ 。 』  終
『 日常ってすばらしい! 』
 
宮野くんがいるなら星乃さんもいるんでしょうか。
ヒントを申し上げますと私は恋の道標組がだーいすきです。
 
うちの子なのに久しぶりに書くから口調忘れてる親です.......
才食書いていたころのあたし、出ておいで(2回目)。
 
では、また次回。

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