第6話

sixth.
70
2018/04/02 14:10 更新
やっと2人の部活の休日が重なった日曜日。
伊月と2回目のお付き合いを始めてから初の休日デート。

行き先は、ちょっと遠いところにある遊園地。
前に一回だけ伊月と来たことがあった。
人が多かったけど、なんとか乗りたいアトラクションは制覇できた。
伊月
時間的に、あとひとつぐらい乗れるな
美宇
そうだね!伊月、何か乗りたいのある?
伊月
....観覧車?
美宇
うん、そうしようか
観覧車は並んでなかったからすぐに乗れた。
どんどん高くなって、人とか木が小さくなっていく。
美宇
いい景色だね
伊月
...あのさ
急に真剣な顔でこっちを見つめてくる伊月。
伊月
観覧車の頂点でキスしたらずっと一緒にいられるってよく聞くよね
このセリフは....前に1度だけ観覧車に乗った時の...
美宇
!
そうだね、漫画とかでよくある
動揺を隠しつつ、当たり障りのない返事をする。
やっぱり記憶がなくても、伊月は伊月なんだ。
あの時と全く同じ場所で、同じセリフを言うなんて。
前に付き合ってた時のことが強烈に思い出される。
美宇
あ、もう少しで頂上に着くね!
外を見ると、さっきとは比べ物にならないぐらい下にあるものが小さく見える。
さらにゆっくり上昇して、頂点にさしかかる。
伊月の動く気配がしたから、中に視線を戻すと、彼は私の隣に来ていた。

お互いの顔が近づいて、
一瞬だけ、唇が重なった。
伊月
こんなの、キャラじゃないけど、美宇とずっと一緒に居たいから
言い訳でもするように、伊月はぼそっと呟いた。
美宇
...ありがとう
伊月
こんなことしたの初めてのはずなのに、なんか懐かしい感じする。デジャブというか....
美宇
....気のせいでしょ
懐かしいと思って当然。
伊月は前も、同じように言って、キスしたから。
ずっと一緒にいたいってあの時も言ったけど、結局別れたじゃん。
これ以上ないぐらい嬉しい言葉を言われたはずなのに、喜ぶどころか怒りすら覚えている。
楽しかったはずなのに、伊月と別れて家に帰ってから、泣いてしまった。

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