「無知は罪である」
古代ギリシアの哲学者・ソクラテスの言葉。
私は今日、
その言葉の意味を知ってしまった━━━━━━━━━━
<放課後>
挨拶は性格が出るなぁなんて呑気に思いつつ…
私からも皆に挨拶をして教室を出る。
今日はバイトもないからのんびりできる。
帰ったら何をしようかと考えていると。
ふと、何度か聞いたことのある声が聞こえた。
彰人先輩かと思って振り向くと。
そこに立っていたのは、
真優先輩だった。
<カフェ>
そう言いながらぺこりと頭を下げる先輩。
私は慌てて首を振った。
そう言って、はにかむ真優先輩。
その表情は、なぜか寂しそうにも見えて。
でもやはり、決意したような表情にも見えて。
私が首を傾げると、先輩はゆっくりと口を開き
そう、前置きをしてから話始めた。
分かっていた。
真優先輩が、彰人先輩のことを好きなことくらい。
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分かっていたはずなのに…胸が、苦しい。
初めて出会った時は"東雲くん"と呼んでいた彼女が。
今では"彰人くん"と呼んでいて。
たったそれだけのことなのに、
私の胸にナイフが刺さったみたいな…そんな感覚がした。
だから、真優先輩からのそんな"言葉"なんて
聞きたくもなかったんだ。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。