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私の幼い頃の話 。
私には双子の弟がいた 名前は琉生 、
なんで、私の通り名が琉生なのかというと、
まぁ、つまりはこういう事だ 。
琉生は私とは真逆の性格で 、人見知りせず
誰とでもすぐ仲良くなれた 。
けど 、私達は生まれてすぐ両親を無くして
すぐ施設に入った出来た友達は皆 、養子へ 。
人見知りせず明るい性格だった琉生のもとにも
すぐ2人の夫婦が来てこう言った 。
「私たちと家族にならない?」
けど琉生は「お姉ちゃんは?一緒にいける?」
と幼いながら必死に訴えた 。
すると夫婦は戸惑いつつこう答えた 。
「いいえ 、貴方1人よ 。あの子は要らない」
私は琉生が幸せになれるなら普通の家庭に
戻れるなら 、私なんかどうでもよかった 。
どれだけ辛くても琉生のためなら我慢できた。
けど … 琉生は
「俺 、お姉ちゃんと一緒じゃないと嫌だ!」
なんていう 。
幼かった私にはこれが理解できなかったのだ
2人の夫婦は頑なに断り続ける琉生に折れ 、
「また来るわね ?」っと言って帰っていった
私は意味が分からなかった 。
なんで自ら幸せになる道を行かなかったか 。
なぜ私なんかに執着して離れようとしないのか
なんで自分の幸せを第一に考え無いのか 。
羨ましかった 。悔しかった 。
いつも誰からも可愛がられる琉生が 、
何か失敗しても笑い事で済まされる琉生が 、
何か始める時に誰かが常に傍に居る琉生が 、
誰かから注目されて微笑み返す琉生の横顔に
1人で腹を立てている時もあった 。
でも、誰より何より琉生の幸せを願ってた 。
これだけは多分世界で1番の自信がある 。
だから あんなに心無い事を言ったのだろうか
『 あんたなんか弟なんて思ってない!
いつもいつも隣にいてうんざりよ!
さっさとどっか行きなさいよ!大嫌い!』
多分 、この言葉は幼かった琉生にとって
相当痛かったのだろう 。
琉生は泣きながら施設を飛び出して行った 。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。