第32話

私が何をした
3,126
2019/03/21 12:38
side あなた




私の幼い頃の話 。






私には双子の弟がいた 名前は琉生 、
なんで、私の通り名が琉生なのかというと、
まぁ、つまりはこういう事だ 。

琉生は私とは真逆の性格で 、人見知りせず
誰とでもすぐ仲良くなれた 。
けど 、私達は生まれてすぐ両親を無くして
すぐ施設に入った出来た友達は皆 、養子へ 。


人見知りせず明るい性格だった琉生のもとにも
すぐ2人の夫婦が来てこう言った 。
「私たちと家族にならない?」
けど琉生は「お姉ちゃんは?一緒にいける?」
と幼いながら必死に訴えた 。
すると夫婦は戸惑いつつこう答えた 。
「いいえ 、貴方1人よ 。あの子は要らない」


私は琉生が幸せになれるなら普通の家庭に
戻れるなら 、私なんかどうでもよかった 。
どれだけ辛くても琉生のためなら我慢できた。











けど … 琉生は
「俺 、お姉ちゃんと一緒じゃないと嫌だ!」
なんていう 。
幼かった私にはこれが理解できなかったのだ









2人の夫婦は頑なに断り続ける琉生に折れ 、
「また来るわね ?」っと言って帰っていった










私は意味が分からなかった 。
なんで自ら幸せになる道を行かなかったか 。
なぜ私なんかに執着して離れようとしないのか
なんで自分の幸せを第一に考え無いのか 。












羨ましかった 。悔しかった 。
いつも誰からも可愛がられる琉生が 、
何か失敗しても笑い事で済まされる琉生が 、
何か始める時に誰かが常に傍に居る琉生が 、
誰かから注目されて微笑み返す琉生の横顔に
1人で腹を立てている時もあった 。
















でも、誰より何より琉生の幸せを願ってた 。

これだけは多分世界で1番の自信がある 。










だから あんなに心無い事を言ったのだろうか










『 あんたなんか弟なんて思ってない!
いつもいつも隣にいてうんざりよ!
さっさとどっか行きなさいよ!大嫌い!』













多分 、この言葉は幼かった琉生にとって
相当痛かったのだろう 。











琉生は泣きながら施設を飛び出して行った 。


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