第31話

【29】
215
2022/06/21 13:21
江口拓也
(見失ったな、)
まぁ宏太朗はやけ食いしてるしいいか、


そんな事を考えながら屋台で買ったものを食べる。


江口拓也
はぁ、、
花江夏樹
どうしたの?浮かない顔して、
江口拓也
え?あぁ、なんでも、
江口拓也
(なんかあいつ変だったよな、)
あいつとは、壮馬の事だ。

何というか清々しいって言うか、

諦めって言うか、

なんと言うか、
江口拓也
(あぁぁぁあなんか食べたいな、)
梅原裕一郎
食べてるだろ
江口拓也
え、えすぱー?
梅原裕一郎
壮馬の事だろ、
顔が死んでたぞ
江口拓也
梅には言われたくない
梅原裕一郎
うるせぇ、
……でもなんか変だよな
江口拓也
まぁ、ね、
梅原裕一郎
今日で最後かもな
江口拓也
は?何が
梅原裕一郎
何だろうな。
焼きそば買ってくる、

そう言って歩き出した裕一郎を見る。
江口拓也
はっ、
少し笑う。
江口拓也
なにいってんだよ、
江口拓也
(最後なんて、言うなし)
____________________________________________
梅原裕一郎
(最後、か)
自分で言っておいてダメージ食らった、

なんて考えながら屋台まで歩く。
梅原裕一郎
(ちゃんと言えてねぇな、好きって)
あの時失敗した告白。


もしあの時


「友達としてじゃない、」


って言えたらなにか変わってただろうか。
梅原裕一郎
(いや変わらねぇよな)
きっと言っていたって、
あなた

ごめん。

あなたはそう言うはずだ。
梅原裕一郎
(結局俺じゃねぇって事なんだよな、)

そんな事を考えていたら屋台に着いた。
梅原裕一郎
すみません、焼きそば1つ。
梅原裕一郎
(まぁだれより辛いのは壮馬だよな)
もし予想が当たっていれば壮馬は今日消える。


本当だとすれば壮馬は、


今でも死ぬ事を考えてるのだろう。
梅原裕一郎
(いや意外と逆か、)
どうかなんて知らないけど、

なんて思いながら焼きそばを受け取る。
ピロリン
梅原裕一郎
(誰だ?)
画面を見る
梅原裕一郎
夏樹からか、
花江夏樹
《宏太朗が今更『見失った!!』って言ってる。江口花江、爆笑。》
梅原裕一郎
………っw
あー、アホらしくなってきた、
梅原裕一郎
《バカだな》
梅原裕一郎
(やっぱ俺はこのバカたちといる方が楽かもな)
心残りがないと言えば嘘になる。


けど今は自分のでる幕じゃない。
梅原裕一郎
帰るかー、

プリ小説オーディオドラマ