濃密な空気を纏わせて下腹部を弄まさぐろうとするヨンホの手を、テヒョンはそっと制止する。
テヒョンの制止にヨンホは困った顔をしながらも渋々手を離すと、キャリーケースを引いて出て行った。
夫が出ていくのを見送ると、テヒョンはドアを閉める
よし 、行ったかな 。
こんなエプロン姿じゃ 、あの子興味なくしちゃうかも
玄関からUターンして向かったクローゼットの部屋で、テヒョンは1人思い詰める
数十分試着しながら悩んだ末 、今日は有名なブランドの新作が選抜された
というか 、今日のおれ盛れてる気がする
髪やら服装やらの身支度を整えたテヒョンは、
いつもより軽いステップで家の扉の鍵を閉めた
向かったのは歩いて数歩の隣の部屋 。
「 チョン 」と書かれた表札の横にあるインターホンを押すと直ぐに扉が開く
身長の高いスーツ姿の男がテヒョンを一瞥した。
続く
総合デイリー4位ありがとうございます
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。