藤井side
今日も、仕事の時淳太たちにいじめられた。
俺、どうすればええんやろう。
いつまで耐えればええん?
てか、こんな人間死んだところで誰も悲しまないやろ。
”死にたい”
服の袖をめくる。
そこには、学生時代にしてたリスカの跡。
リスカをすると、生きてるって感じられるから気持ちええねん。
棚からカッターを出す。
そして、手首をスーッと刃でうっすら傷つける。
昔やってた頃の感覚を思い出し、またやりたくなって、リスカをした。
ほんまはこんなことしたくないねん。
こんなことやってるなんて、メンバーに気付かれたらきっと、ただことではない。
でも、リスカをやってしまう。
次の日も、またその次の日も、
毎日家に帰ると、気付けばリスカをするようになってた。
ご飯も1日1食しか食べてない。
日によっては、1食も食べない時もある。
こんな俺、なんか情けなくなってくるよな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。