第3話

仕事
395
2021/02/25 13:20
夜──
それは、港の一角で行われていた。
燦蛇組 若衆
組長、準備が整いました!
燦蛇組 組長
なら、はよずらかるぞ
「ちょっと待ちな!」
燦蛇組 若衆
だ、だれだっ!
鬼門 椿
鬼門 椿
違法な売買に取引、麻薬の密輸……
燦蛇組 組長
お前…………
燦蛇組 組長
鬼門のところのっ!
鬼門 椿
鬼門 椿
燦蛇組も随分と落ちぶれたもんだねぇ
燦蛇組 組長
はっ、証拠がないだろう
鬼門 椿
鬼門 椿
証拠?それならあるけど……
鬼門 椿
鬼門 椿
ほら、この写真。
さっきの取引現場撮っちゃった
燦蛇組 組長
くっそ……
燦蛇組 組長
お前ら、全力であの写真奪え!
その一言で燦蛇組の若衆たちが動き出し、椿目掛けて殴りかかった。

四方八方からとんでくる拳、銃弾。
椿はそれをひょいひょいと避けていった。
鬼門 椿
鬼門 椿
そんに焦らなくても
これくらいあげるわよー
燦蛇組 若衆
っしゃあ!写真取ったぞ!
鬼門 椿
鬼門 椿
まぁ、証拠はまだまだあるからいいんだけどね
燦蛇組 組長
貴様ァ!
鈴原 龍央
鈴原 龍央
お嬢!
鬼門 椿
鬼門 椿
龍央、待ってろって言ったでしょ……
鈴原 龍央
鈴原 龍央
バカ椿!
1人でこんなにも相手するな、バカ!
鬼門 椿
鬼門 椿
あ、バカって2回も言ったなぁ!
鈴原 龍央
鈴原 龍央
それに、俺は待つの嫌いなんで
鬼門 椿
鬼門 椿
はぁ、十分知ってるよ
若衆(子分)
お嬢!
若衆(子分)
大丈夫ですかィ
鬼門 椿
鬼門 椿
みんなも出てきちゃったし!
若衆(子分)
お嬢だけに任せられませんって!
鬼門 椿
鬼門 椿
もぉ…………
鬼門 椿
鬼門 椿
じゃあ、さっさと殺っちゃいますか
「殺さない程度にね」
そう心の中でつぶやく。
言わなくても皆分かっているはずだ。
再び叫び声と銃声、殴る音が聞こえてくる。

そして、10分も経たずして勝敗が決まった。
若衆(子分)
お嬢、やりましたね!
若衆(子分)
さすがお嬢っす!
若衆(子分)
お嬢、こいつらどうしやす?
立っているのは鬼門組の者だけ。
燦蛇組の者は地面に倒れ、気を失っている。
鬼門 椿
鬼門 椿
もうすぐおじいちゃんが来るはずだからそれまで燦蛇組全員の手を縛りましょ
鬼門 椿
鬼門 椿
誰一人逃がしてはダメよ
若衆(子分)
了解っす!
鈴原 龍央
鈴原 龍央
お嬢〜
鬼門 椿
鬼門 椿
龍央
鈴原 龍央
鈴原 龍央
こいつ、どうします?
そう言って差し出したのは燦蛇組の組長だった。
鬼門 椿
鬼門 椿
こいつも手縛って、絶対に逃がさないように。こいつには檻の中でちゃんと罪を償ってもらうわ。
鈴原 龍央
鈴原 龍央
こいつら、違法取引,麻薬密輸だけじゃなく人身売買もしてたなんて…………
鬼門 椿
鬼門 椿
ほんと最低よね……
鈴原 龍央
鈴原 龍央
……殺さなくてよかったんですか
鬼門 椿
鬼門 椿
龍央!
鬼門 椿
鬼門 椿
私たちは極道だけど、命を奪うことはしない。例えそれが悪人だとしても絶対に。
鬼門 椿
鬼門 椿
……それが鬼門組のルールでしょ
鈴原 龍央
鈴原 龍央
そうっすね……
鬼門 椿
鬼門 椿
それに私、人間を殺すなんて嫌よ〜
鬼門 椿
鬼門 椿
怖いじゃん!
鈴原 龍央
鈴原 龍央
まぁ、確かに俺もだ
鬼門 椿
鬼門 椿
でしょー
鬼門 雷蔵
鬼門 雷蔵
椿ー
鬼門 椿
鬼門 椿
あ、おじいちゃん来た!
その後、あとから来た雷蔵たちの手により、燦蛇組は警察行きとなった。
そして、燦蛇組は壊滅した。


くっそ……、誰なんだあいつら
鬼門組だ
鬼門組?
そしてあの娘は雷蔵の孫……
孫、ですか
お前……
あの娘を殺してこい
どんな手を使ってもいい
他の物も殺していい
雷蔵の大切なものを奪え!
わかりました
俺はあなたに一生ついて行きます──

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