第5話

Four
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2025/09/17 11:11 更新

わっせわっせと運ばれて、大きなお風呂場。



風呂というより、大浴場とか、そういうスケールのところ。

広い洗面所、これを、あの人が1人で使ってるんだろうか。


それとも、家族がいるんだろうか。
さっきから、彼と同じような人は見かけない。

この人と同じような感じの人は何人かいたけど、
髙地優吾
俺は髙地優吾、君と同じΩだよ
.
こうちさん...
髙地優吾
そう、髙地〜
髙地優吾
この家はね、北斗を買った人、あ、 調月煌つかつきこう、っていうんだけど
.
つかつき、こう...さん

つかつき こう、ってどんな文字を書くのか、さっぱり分からないけど、綺麗な響きだと思った。

こうちさんが、僕にシャワーでお湯をかけながら教えてくれた名前はあの人にぴったり、綺麗で、どこか冷たい。

髙地優吾
調月の家は、まぁ色々すごくてね?
髙地優吾
使用人なんて贅沢なもんまでいるわけ
髙地優吾
俺も、その1人
.
僕も、「しようにん」なんですか?
髙地優吾
んー、ちょっと違うかな
髙地優吾
まぁ、それは本人から聞いて?
.
...つかつきさんって、何をしてる人なんですか
髙地優吾
んー、北斗に分かるように言うとね〜


髙地優吾
社長
髙地優吾
それも大企業のね
.
社長、さん?
髙地優吾
うん、そう。
お薬を作ったり、銀行を動かしたり、あとはそうだな、歌を歌う人を育てたり、色々やってる社長さん
はい、流すから目閉じてね〜

すごい人なんだ…


ますますよくわからない。

僕みたいなΩを買うなんて、そんなに価値があるわけでもない、道端の雑草みたいな存在を、

髙地優吾
大丈夫、北斗が思ってるような酷いことは、ここでは絶対にされない
髙地優吾
あいつ、そういうの嫌いだから
.
そう、なんですか...?
髙地優吾
そ、一番嫌がるのは性別で人を判断すること
髙地優吾
昔いろいろあってねぇ

やっぱり、悪い人じゃないのかなぁ、
髙地優吾
あ、でもね、綺麗好きなの、だからね、

髙地さんはにっこり笑った。

いやな予感......



髙地優吾
隅から隅まで綺麗にしよ〜ね♡
.
ひぇっ、

それから1時間ほど、髙地さんは俺を離してくれなかった。

シャンプーは念入りに、体はきれいに洗われて、湯船に入れられて。

マッサージベッドに放り出されて、オイルマッサージ、頭皮マッサージ、それ関係ある?ってくらいされて、

初めてバスローブというものを纏って
ドライヤーで髪を乾かしてもらう頃には、もう瞼が落ちかけていた。
髙地優吾
さ、行くか!
髙地優吾
煌が待ってる


.
...はい

寝てる暇はない、

髙地さんの後ろを、しっかり歩き出した。

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