翌朝、午前7時。
前日に母から留守電があったので、再生してみる。
──ちょうど良い。
マオには、しばらくここにいてもらうことにしよう。
『発信中……発信中……』
プツッ。ツー………ツー………ツー………
マオはまだ起きない。
朝食を作るにも時間が早い。
絶妙な時間に起きてしまったのを後悔すると同時に、ナツキが電話に出たことにも驚く。
することもないのでテレビをつける。
朝のニュースをやっていた。
今日も今日とて暴動のニュース。
最近の話題は、このことで持ち切りだ。
僕の住む467/7番地区でも過激派の暴動…もとい宗教運動が大きくなって、昨日学校から休校の連絡が入った。
家のカーテンをわずかに引いて外を見ると、黒い布をかぶった依代が道のあちこちに置いてある。
気味が悪い。
ほんの一週間前には何もなかったはずなのに。
こんなにおかしくなった世界でなんて、外にも出たくない。
でも、そんなこと言ってられない。
無いものはいっぱいあるし、買い物に行かなきゃ。
居間のテーブルの上に「買い物に行ってくる。すぐ戻るよ」というメモを残し、僕はスタンガンを持って家を出た。
ここで作者(哭(なき))からちよっと解説です。
作中に入れられなかったせいで分かりにくくなってしまってごめんなさい🙇
〈依代とは〉
暴動などで外で亡くなった人の遺体のことです。
よく、親族の人たちが月をかたどったアクセサリーをそばに置いています。
死生輪廻教では、この依代には女神の化身である「スピリット(今でいう天使のようなもの)」が月のアクセサリーを目印に宿り、神の世界を案内するとされています。
〈リョウくんが持ってるスタンガン〉
一般の人々は、護身用に何らかの武器を持っていることが多いです。
リョウくんのスタンガンも護身用です。
ちなみにですが、マオちゃんはリョウくんの家に置いてあった催涙スプレーを持ってます。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。