第55話

目黒蓮 弱視 (あべさく編)
788
2024/05/23 05:52
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めめおはよう。今日病院の日だよね?



目黒side


朝ごはん食べてたら、誰かが横の椅子を引いて、隣に座った。

声的に判断すると、きっと阿部ちゃん。



そう、実は俺は2週間に1回通院することになってる。

縁内障の進行具合や、服用してる薬がちゃんと効いてるかとかの確認をするため。



目黒蓮
おはよう。だから9時には家出なきゃいけなくて。
阿部ちゃん今何時か教えてくれる?
阿部亮平
今はね、8時20分!俺午前中は仕事ないから着いてっても良いかな?
目黒蓮
でもせっかく休めるのに‥‥。
阿部亮平
良いの良いの!家にいてもすることないしさ。
仮に家にいたとしてもめめに何かあったらってそわそわしちゃう笑。
だから行かせて?
目黒蓮
本当に助かるよ。ありがとう。
阿部亮平
めめの誘導は俺に任せといて!笑
目黒蓮
ふふっお願いします笑。




















目黒蓮
阿部ちゃん今何時?
阿部亮平
もう55分。めめもう出れる?
出れそうだったら予定の時間よりはちょっと早いけどもう行っちゃお?
目黒蓮
うん、もう行こう。病院混んだらバレるかもだし。
阿部亮平
そうだね。車まで誘導してくよ。はい、ここ掴んで?
目黒蓮
ありがと阿部ちゃん。



俺は阿部ちゃんに誘導されるまま、外に出て車へ乗り込んだ。

隣の運転席には阿部ちゃんが乗って、エンジンをかける。


阿部亮平
よし、じゃあ出発!











それから病院まで車で行き、阿部ちゃんに中までは誘導してもらった。




診察室には1人で入って阿部ちゃんには待合室にいてもらった。

お医者さんが何て言うか分からない以上、阿部ちゃんには冷たい事実を直接聞いてほしくなかったから。





でも検査結果は悪くはなかった。

だからといって良いわけでもなかったけどね。 







結論を言うと、縁内障の進行は薬で防げていて、悪化はしていなかった。

でも視力の回復は見られなかった。




だから効果の強い薬に変えるって。


そりゃ視力は戻って欲しいよ。

でも‥‥副作用の強い薬はできるだけ服用したくないんだ。








阿部亮平
めめおかえり。どうだった?
目黒蓮
悪くはなってないって。
でも回復もしてないから効果の強い薬にしてもらった。
阿部亮平
‥‥そっか。もしかして副作用も強いの?
目黒蓮
コクリ。でも早く見えるようになりたいし。
阿部亮平
俺たちも全力で頑張ってるめめのこと全力で支えるから‥‥!
辛かったり、嫌なことあったりしたら遠慮なく言ってよ?
目黒蓮
うん。みんなも巻き込んじゃって‥‥ごめんね。
阿部亮平
めめ?そこはごめんじゃなくて“ありがとう”の方がもらって嬉しいな。







俺は顔を上げ、今の俺なりの全力の笑顔で、


目黒蓮
ありがとう‥‥!


と阿部ちゃんの顔もしっかり見えないけど、しっかりと言葉で伝えた。






















佐久間ver




目黒side


俺は病院から帰って、お昼ご飯を食べてから縁内障の薬を飲んだ。

飲めたとこまでは良いんだけど、それから30分もしないうちに副作用が俺を襲ってきた。




この薬の副作用は吐き気や目眩など激しいものばっかり。



実際に今、その吐き気と目眩に襲われて1人で苦しんでる。

阿部ちゃんもさっき仕事へ行っちゃったから今はこんな大きい家に俺ただ1人。




でも佐久間くんが2時ごろ帰ってくるって。



スマホを目に極限まで近づけて時刻を確認する。

縁内障になったことをきっかけにホーム画面にはデジタルの時計を表示するようにした。



えっと‥‥今は12時50分。帰ってくるまでは1時間ちょっと。




目黒蓮
うっ‥‥!


急に激しい吐き気が来て、トイレまで走る。

でも弱視のせいでよく回りが見えない。長い間住んでるシェアハウスだけど、視界が良くないとなかなか分からない。


誘導してもらえないから、壁を伝いながらトイレまで急いだ。




目黒蓮
ゴホッゴホッオェッ‥‥ハァッハァッ‥‥ゴホッゴホッ‥‥。


薬の副作用に耐えきれず、お昼ご飯を戻してしまう。


出すものを出しきった俺の体は、しばらく続く苦しい吐き気に空を仰いで耐えることしかできなかった。



俺はそのままトイレに座り込み、何分も、何十分も吐き気と戦った‥‥。





佐久間side


ねぇねぇみんな聞いて!今日の収録30分も早く終わったの!


さっき阿部ちゃんから今めめ家に1人だからって連絡来たんだ。

で、俺っちめめが心配すぎて一番にスタジオ出てきちゃったよ。



ちなみに今タクシーでシェアハウスまで直帰するところ!








佐久間大介
ただいまー!!


あれ、返事がない。

めめ寝てるのかな。まさかだけど階段から落ちて倒れてるとかないよね!?



佐久間大介
めめー?どこー!
目黒蓮
ゴホッ、ゴホッ‥‥佐久間、くん‥‥!



耳をすましてみれば、小さいけどめめの声が聞こえてきた。

声のしたところは1階のトイレで、そこには苦しそうにうずくまっためめが。




佐久間大介
めめっ!!大丈夫?どうしたの?
目黒蓮
‥‥薬のッ、副作用で‥‥ゴホッ、ゴホッ‥‥。
佐久間大介
副作用‥‥?目の薬の?
目黒蓮
コクリ。その薬ッ、副作用強いやつでハァッ‥‥飲んだら吐き気がハァッ‥‥。
佐久間大介
そっか。ちょっとまってて!水取ってくるから!



水飲んだら今よりはすっきりするんじゃないかって思って、冷蔵庫から1本のペットボトルを取ってめめのとこまで戻ってくる。



佐久間大介
めめ、水飲める?
目黒蓮
コクリ。佐久間くん‥‥ありがと。




それからめめは、しばらくトイレで吐き気と戦った。


俺も背中擦ったり、水飲ませてあげたり、できることには全力を尽くしたつもり。



そして吐き気がおさまってきた頃、めめはもう疲れのあまり脱力していた。



佐久間大介
めめもう寝とこう?体疲れたでしょ?
目黒蓮
コクリ。
佐久間大介
じゃあ‥‥2階まで行くのは大変だし、あっちに布団敷いてくる!
ちょっとだけここで待ってて!
目黒蓮
‥‥ありがとう。



2階から布団を持ってきて、リビングの横の部屋に敷いた。
 



あとはめめをここまで誘導してくるだけ‥‥!

でも俺っちどうやって誘導するのかやり方知らないや。



どうやるんだろ?めめに聞いた方が早いか。




佐久間大介
めめ布団の準備できたよ!
俺っち誘導してくから立てる?
目黒蓮
コクリ。
佐久間大介
誘導ってさ‥‥。



ぎゅっ。



誘導のやり方を聞こうとしたら、ふらふらと立ち上がっためめが俺っちの肩を優しく掴んだ。

これで、このまま進んで良いってこと?



佐久間大介
これもう進んで大丈夫なやつ?
目黒蓮
コクリ。‥‥このままッ、布団までハァッ‥‥!
佐久間大介
了解!じゃあ進むね?








佐久間大介
めめ、右曲がるねー‥‥よしっ、布団に到着!
ここ寝て良いよ!
目黒蓮
‥‥佐久間くんありがとう‥‥おやすみ。
佐久間大介
おやすみ!




ものの数分でめめは寝た。


副作用よっぽどつらかったんだなぁ‥‥。



しかもこれからこの薬使うんでしょ?めめすごい大変だ。


でも早く見えるようになって欲しい。

お互いの顔見合って、楽しい時は思いっきり笑い合いたいし、悲しい時だって慰め合いたい。






俺は寝ているめめの頭をそっと撫でた。










次はゆり組で書きますっ!!お楽しみに✨

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