第58話

目黒蓮 弱視 (いわふか前編)
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2024/06/09 00:58
目黒side


しょっぴーや舘さんと夜ご飯を食べ終わった頃、仕事へ行っていたメンバーが一緒に帰ってきた。


そしてその今帰ってきたメンバーは手洗いうがいを済ませてから、舘さんが作った夜ご飯を食べ始める。






SnowMan
ごちそうさま!/ごちそうさまでした!(ー舘さましょっぴーめめ)
宮舘涼太
じゃあお皿洗うから持ってきて。
岩本照
舘さん皿洗い手伝う。
宮舘涼太
ありがと照。助かる。





佐久間大介
ねぇ阿部ちゃん一緒にお風呂行こー!
阿部亮平
やだよ笑。佐久間先行ってきな?
佐久間大介
えぇー。仕方ないなぁ。じゃあお先に行ってきまーす!
阿部亮平
いってらっしゃい笑。





ラウール
ふっかさん明日って何時からだっけ?
深澤辰哉
えーっと‥‥確か10時かな。
ラウール
了解!じゃあ一緒に行こ!
深澤辰哉
良いよ笑。俺運転できないからタクシーだけど。
ラウール
分かってる笑。





向井康二
めめぇ!ちょっとこっち来てやー!
目黒蓮
ん、今行く!
渡辺翔太
大丈夫か?誘導いる?
目黒蓮
大丈夫。ソファーのとこ?
渡辺翔太
そう。
目黒蓮
オッケー。



何とか壁伝いにリビングまで行く。

迷惑かけたくなかったし、これくらい1人でできるって自分自身を信じたかったから。


ぼやける視界の中で障害物を避けながら、怪我とかもなく何とかソファーのところまで行くことができた。




目黒蓮
どうしたの?
向井康二
一緒にウノしようや!
しょっぴーと2人じゃすぐ終わっちゃって面白くないんよ笑。
渡辺翔太
それ俺が弱いっつってんのと同じだからな!
向井康二
別にええやん笑。だからめめも良かったらやらへん?
目黒蓮
でも‥‥


でも、と言いかけて口を閉ざす。



ウノならトランプと違って数字が見えなくても何とかなる。

主に色が分かればできるし。


 
それなら弱視の俺にも、できる‥‥?





目黒蓮
うん、やる‥‥!
向井康二
良かったわ!じゃあめめここ座りや?



とんとん、と康二の横を軽くたたく。

俺は促されるままに康二としょっぴーの間へ腰かけた。




目黒蓮
上がり!
向井康二
え!めめ強ない!?
渡辺翔太
ずるしてるだろ!5回やって全部一抜けはおかしいって!
目黒蓮
してないよ笑。
向井康二
めめ達人やん!



阿部亮平
次誰かお風呂良いよー!
渡辺翔太
あ、俺入るわ!



白いタオルらしきものを肩にかけた阿部ちゃんがリビングに入ってくる。

そして阿部ちゃんとバトンタッチでしょっぴーがお風呂へ。


俺もお風呂まだだったな。しょっぴーの後に入るか。



向井康二
俺しょっぴーの次な!
目黒蓮
え、じゃあその次俺!
向井康二
めめ1人で危なない?一緒に入ろうや!
目黒蓮
佐久間くんみたいなこと言わないでよ笑。
俺は1人で大丈夫だから笑。
向井康二
ええやん一緒でも!
ラウール
僕も行く!めめ一緒に入ろっ!
目黒蓮
ラウールまで?笑
向井康二
久しぶりに3人で!良いやろめめ?
ラウール
ね?良いよねっ?
目黒蓮
んー‥‥まぁ良いよ笑。
向井康二
やった!
ラウール
めっちゃ久しぶりだね!




向井康二
あっつー!
ラウール
のぼせたぁ‥‥!
目黒蓮
ラウール湯船浸かりすぎだよ笑。
渡辺翔太
お前ら長かったな。1時間くらい入ってたけど笑。
向井康二
えぇ?そんな経ってたん?
目黒蓮
そりゃラウールものぼせるわけだ。
岩本照
はい、ラウール水飲みな?
ラウール
ありがと岩本くん。


のぼせて顔を火照らせたラウールに照くんがコップを手渡す。

そして今度は照くんとふっかさんがお風呂へ行った。





全員がお風呂を入り終えて、時計の針は0時をまわった。



岩本照
そろそろ寝るか?明日も忙しいし。
宮舘涼太
そうだね。じゃあお先におやすみなさい。
渡辺翔太
俺も行くわ。おやすみー。
阿部亮平
佐久間そろそろ俺たちも行く?
佐久間大介
部屋でアニメ見たーい!
阿部亮平
ちょっとなら良いけどほどほどにね?笑
佐久間大介
はぁーい!行こ阿部ちゃん!みんなおやすみー!
深澤辰哉
あんま騒ぐなよー?照は?もう行く?
岩本照
部屋行くか。寝るかは分からんけど。
深澤辰哉
俺もそーしよ!てわけでめめたちおやすみ!
目黒蓮
おやすみなさい。
向井康二
おやすみー!
ラウール
おやすみ!
向井康二
みんな部屋戻ったな。俺らも戻るでええ?
目黒蓮
そうだね。俺はそろそろ寝ようかな。
ラウール
僕もー!



この後俺たちはすぐベッドへ入り、眠りについた。



















のだが‥‥。
















俺は喉の乾きで寝てすぐに目が覚め、ほぼ視界が真っ暗な中で1階まで水を飲みに行くことにした。



今はいつも階段でサポートしてくれる康二もいないから、より足元に気を配って一段一段丁寧に下っていく。








階段を下り終える、というところで俺はリビングからのざわめき声に気づいた。
 




そのリビングからはメンバーの声がした。


それも俺以外の全員の声が。




俺の存在がバレないようにそっと開けたドアの隙間から覗くと、恐らくテーブル辺りにみんなで集まっているだろうという光景が見えた。


弱視の中だから正確には分からないけど。
 



でも耳は聞こえるから話の内容は全然聞き取れる。


耳をすませて聞いてみると‥‥。





岩本照
だからライブは断る。それで良いか?
向井康二
仕方ないよなぁ。
渡辺翔太
阿部も言ってたけどファンは“SnowMan”のライブ望んでるからな。
宮舘涼太
目黒抜きでライブなんて考えられない。
佐久間大介
やっぱライブはファンと俺たち9人で作るものだし!
渡辺翔太
しーっ!目黒起きたらどーすんだよ!
佐久間大介
あ、ごめんごめん笑。
深澤辰哉
これ目黒に話す?
岩本照
話したら俺のせいでってなるよな‥‥?
阿部亮平
そうだよね。じゃあライブの話は無かったことに?
ラウール
うん、それが一番だよ。
岩本照
じゃあそれで話つけとく。悪いな明日仕事あるメンバーもいるのに夜遅くに集めて。
宮舘涼太
良いよ良いよ。照こそありがとね。



今の話、何?


 

ライブが中止?


俺のせいで‥‥?

俺が、弱視で活動休止中だから‥‥?




ライブなんて話、俺はここで初めて聞いた。





俺はいろんなことが信じられずにその場に立ち尽くしていた。








ガチャッ。




突如俺の前のドアが開く。

そしてそこには照くんらしき人が立っていた。





岩本照
ッ!? め、目黒ッ‥‥!?




俺はこの状況に耐えられず、踵を返して弱視の中でも精一杯に階段を駆け上がった。


目黒待てっ!って必死に言う照くんたちの声を振りきってでも部屋へと走った。




浮かぶ涙をこらえようと、ぎゅっと目を瞑るけどそれは逆効果。

溜めきらなくなった涙が一筋頬を伝った。




壁に手をついて、何とか自分の部屋と確かめてから部屋へ駆け込む。




1人になりたかった。


誰にも会いたくなかった。


誰の顔も見たくなかった。






俺はそのままベッドに突っ伏し、布団へ顔を埋めて泣いた。

でも声が漏れないように静かに泣く。


弱視のせいか、今の俺には部屋が真っ暗でもどうでも良かった。




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