類side
ガラガラガラ……
優希さんは、瑞希を見下ろし、頭をサッと撫でた。
あ……
優希さん、泣いて、いる。
僕のせいで……
止められなかった。
あの時、ちゃんと止められたら。
瑞希が、飛び降りた。
瑞希の音が、僕の心に突き刺さった。
グシャ、っと鈍い音がした。
僕たちは2人で階段を駆け下り、校門を出た。
そこには、頭から血を流している瑞希が横たわっていた。
なんで……?
嫌だよ。
瑞希。
僕のせいで……
僕が……
唯一の仲間。
もちろん、司くんや寧々、えむくんも仲間。
でも、僕にとって瑞希は特別だった。
屋上で過ごした時間は、僕に確かなものをくれた。
瑞希のおかげで、僕は助けられた。
瑞希のおかげで、今みんなとショーができている。
してもらってばっかりだ。
感謝を、伝えられていない。
嫌だよ……瑞希……
僕が……僕が……僕のせいで……
気付いた時には、病院にいた。
確か、優希さんは海外に行って
仕事をしていると言っていた。
戻ってきてくれたのかな。
謝って許されることではない。
そんなことわかっていた。
司くんはそう言ったけど、言葉が出てこなかったみたい。
ガラガラガラ……
東雲くんのチームのみんな……
そして、後ろにいるのは……
朝比奈さんと、宵崎さん。
そして……
絵名さんだった。
絵名さんは静かにそう言い、涙を流した。
東雲くんは絵名さんを止めようとしたけど、
泣いている姿を見て動けなさそうだった。
そして、静かに背中を撫でた。
ーーーーーーーーーー
司side
類は、黙ったままだった。
それもそのはずだ。
仲間が……自殺未遂をしたんだから。
俺だって……心の整理はついてない。
そんな早くは無理だ。
でも、宵崎さんに答えなければ……
無理に声を出したせいか、掠れてしまったし
カタコトになってしまった。
え?
曲……
え?!
すごいな……
え……
凄い……
ニーゴの曲って感じがする。
さすが宵崎さんだな……
曲には独特なメロディーが入っているな。
俺たちのショーに合いそうだ。
歌詞は……朝比奈さんか。
歌詞も、明るさだけをモチーフとしないものが
使われている。
イラストは、絵名さん……
綺麗なだけじゃない。
ちゃんとこの世界観に合っている。
色使いも、とても素敵だ。
そして、MVは……暁山だったな。
……あぁ…………
暁山……
俺……泣いてる?
ふと周りを見ても、みんな泣いていた。
起きてくれよ、暁山。
謝りたい。
すまなかった……
近い人を笑顔に出来ないで……何がスターだ。
あぁ……
俺は……なんでこんなに何も出来ないのだろう。
なんて無力なんだろう。
目の前で起こっていたことを、止められなかった。
危うく、大切な人を失うところだった。
今でさえ目を覚ましていないから安心など出来ないのに。
このMVからは……
暁山を感じる。
明るさ、優しさ、辛さ、苦しさ、哀しさ、
何にも表せないモヤモヤとした物……
すまない……

















![# 攻略対象より悪役に惚れました . [ 冬司ver ]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/463Ienje96SMnaxqeg7tvIaFh9p1/cover/01K566339R5TNCGP01WCWNSK9G_resized_240x340.jpg)





編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。