催促されるようにまた同じ言葉が繰り返される
なお兄が殺してくれるなら俺は殺さなくて済む
でも
ほんとにそれで
ゆうきはいいのか?
俺はいいのか?
どうしたらいいか分からなくなってきて涙目になりながらなお兄を見つめることしか出来ない
そう俺の名前を言って少し微笑んだ
いつもの優しい笑顔だった
心に明かりがついたように安心する
つまり今まで俺たちと仲良くしてたのは、
心の中の何かが弾けた
あぁ
やっと分かった
ずっと胸のなかで突っかかってたものが
ずっと隠してたものが
俺はゆうきを殺したかったんだ
ゆうきが産まれた時から
ずっと
ずっとずっとずーっとゆうきが羨ましかった
親にも、周りの友達にも愛されてて
俺は、愛されなかった
🌷side
意思の強い目だな
いや、憎しみの強さかな
短いナイフを渡した
そう言って僕はゆあんくんに背を向けた
酷く震えていた
ナデ
優しく撫でるとゆあんくんはしゃがみこんで吐いた
いくら嫌いな相手でも人を殺すという行為に変わりない
🍗side
やっと、やっと、殺せた
なのに、酷く哀しい
俺は嫌いだったんだ、ゆうきが
嫌いだったはず、
…
もうわかんないや
もうゆうきは死んだ
死んだやつのことなんかどうでもいい
あー
なんか眠いな
あれ?
なんでなお兄がここに?
俺は何してたんだっけ
もう何も分からない
もうなんでもいいや
そして俺はなお兄に体を預けた












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。