第22話

週末
239
2020/11/30 10:33
『明日からまた仕事かぁ、嫌だな』

なんて考えていた

とある日曜日の夜

のんびりとソファーに座ってテレビを見ていると

隣に座る信ちゃんが突然

珍しいことを言ってきた

村上信五
かわい…
あなた

ん?何が?あ、この女優さん?

あなた

ね!すごく可愛い!

なんて返事をしながら、ちょっぴり傷付く私
村上信五
えぇ、ちゃうって
あなた

村上信五
俺はあなたのことを言ってんの
あなた

へ?

あなた

え、ど、どうしたの?熱でもある?

村上信五
なんやねん、めっちゃピンピンやん
あなた

村上信五
毎日やで?朝から晩まで一日中
あなた

えと…あ、ありがとう…?

村上信五
え、それは、照れてんの?
あなた

戸惑いもある

あなた

信ちゃん、珍しいから

村上信五
普段言わんだけで、毎日癒されさせて貰ってるわ
あなた

村上信五
あ、めっちゃ真っ赤や
あなた

言わないでいいのっ

村上信五
俺はずっとあなたが大好きで可愛くて愛おしくてしょうがないし、一生離れるつもり無いからな
なんて、プロポーズ紛いなことを真っ赤になりながら私にぶつけてくる信ちゃん

きっと今の私も誰が見ても真っ赤なのだろう
あなた

離さないで、ね…?

村上信五
当たり前やん
『私のこと、好き?』

なんて聞く女は嫌いな信ちゃんだから、私も聞かない

だからこそ、こんなことを言う信ちゃんはとっても珍しい
村上信五
村上信五
さてと、風呂でも入ってくるわ
あなた

行ってらっしゃい

村上信五
照れくさくなったのか、そそくさと洗面所へ向かう信ちゃん

すると、上半身裸の状態でひょこっと顔を覗かせた
村上信五
あなた
あなた

ん?

村上信五
俺、あなたが思ってるよりもあなたのこと好きやからな
あなた

っ//

村上信五
…なぁ、そこの真っ赤なお嬢さん、一緒に風呂入らへん?
あなた

…入りません!明日仕事なの!

村上信五
仕事やなかったらええんやな?
あなた

!?

村上信五
よっしゃ、今週末の楽しみ増えたわ
あなた

…も、バカっ

村上信五
あ、俺明日はoffやから、夕飯作って待ってるで
村上信五
せやから寄り道せんと帰って来てな
あなた

…うん!

どんな流れで明日の夕飯について話したのか分からないけど

とにかく私の明日の楽しみが増えた

仕事嫌だな、なんて思っていたことがバレていたのだろう
苗字が『村上』になるのは

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