第2話

#2 昔の思い出は…
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2023/10/22 01:17
ジェシーとは何時間一緒に過ごして来たのだろうか。
ジェシーとは何個の思い出を作ってきたのだろうか。
俺がいくら鮮明に覚えていても、あいつが覚えてなかったら意味がない。

家に帰り、俺はずっと泣いていた。
樹「ジェシー…」

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樹さんが帰って、大我さんが後を追っていって…

北「ごめん。俺たちも帰るわ。」
ジ「あの、俺にとってあなた達はどういう関係でだったと思いますか?」
慎「…家族…だったと思うよ。…ジェシーの心の気持ちまではわかんないけど、」  
ジ「ありがとうございます…」
髙「またね。ジェシー。」
ジ「さようなら………。」
あぁ。ほんとに申し訳ない。記憶を無くす前の俺が、頭をぶつけたりしたからこうなったんだ…
俺は、記憶を無くす前の俺が嫌いだ。
こんなたくさんの人を傷つけて…


テレビを付けると、
「速報です。人気ジャニーズグループ、SixTONESが突然無期限の活動中止を発表しました。」
あ…オレたちの写真…Twitter?ってやつもトレンドが全部…「なんで??すごい悲しくてずっと泣いてる。」「ついに初めての喧嘩とか?早く活動再開してほしい。」「何があったんだろう。とにかくゆっくり休んでほしい。」「理由も明かさずに活動休止とか…理由は言ってほしかったな…」


すごい…俺たちのことでこんなに…
YouTube?で俺たちの動画見てみよ…



…すごい楽しそうで動画の内容も面白くてめっちゃ笑っちゃった…全部記憶ないけど…というか俺、こんな性格なんだ、今の俺は真反対…?

…………前の俺に、戻らなきゃ。

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次の日、活動休止をした俺は予定も何もないので、ジェシーの病室に来た。
京「ジェシー、急に来てごめんね。」
ジェシーはすることがないのか、ベットの上でスマホをいじっていた。操作はまだおぼつかない。
ジ「全然大丈夫。来てくれてありがとね。」
京「今のところ、生活は安定してきた?」
ジ「うーん…まだ家族のこととかも覚えてる途中…」
京「そっか…」


沈黙が続く…
するとジェシーはベットから降りて、俺に抱きついてきた、
ジ「ごめんね。きょも。」


「……っ!」



ジェシーからの"きょも"は久しぶりに聞いた。
なんでその呼び方を…。


ジ「俺、YouTubeで、動画見たんだ。俺達の。
それで、ジェシーを練習してた。」
京「……そう…なんだ…うぅっ…」
ジ「へ…ぇ?ちょちょちょ!きょも!泣かないでよ!ねぇきょも!」

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はぁ、気付いたらジェシーの病室の前、
…ジェシーになんて声かけよう…
あれ、ジェシーの話し声がする…
扉を開けると、楽しそうに話すジェシーと
涙を流しながらジェシーの話を聞いてる大我がいた。
ジ「あ、ほぉーくと!来てくれたんだ!」
昔のジェシーとさほど変わらない喋り方で、話しかけてきて、俺は固まった。
北「え、ジェシー?記憶戻ったの…?」
ジ「戻ってはないんだけどー、練習したの!」
北「前のジェシーを?」
ジ「そうそう!昔の俺に似てる?」
北「めっちゃ似てる。記憶戻ったのかと思ったもん。」
ジ「AHAHA!HA!!」
今の笑い声…もともといた大我もさすがにびっくりしたらしく驚いた表情でジェシーを見てた。
京「え、笑い方まで練習したの?」
ジ「うん…でもなんか体が覚えてるのかな?笑い声がしやすいんだよ」
北「ん?ん?ん?笑い声がしやすい?w」
ジ「前の俺の笑い声がすぐ出せた…?でいいの?」
京「日本語が下手なのは変わんないな。」
ジ「だって俺記憶ねーもん!」
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次の日、慎太郎と髙地も来てくれて、俺にすごいびっくりしていた。

ーグループLINEー
ジ[俺、退院したよ!俺の家めっちゃおしゃれw]
    [ジェシーん家めっちゃ豪邸だよな]慎
           [今度遊びに行くね]髙
          [退院おめでとう!!]北
           [俺も遊びにいく!]京

既読は4。見てないのは未だ樹だけだ…

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俺は今日も1日中ベットに横たわっていた。
青いスカーフを巻いたライオンのぬいぐるみを手に持って。

つづく

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