大吾side
終礼終了の挨拶が終わり、急いで図書館へ向かう。
急ぎすぎて図書館の入口から出ようとした人とぶつかってしもうた。
大吾
「わっすみません!」
??
「こちらこそ、すんません」
下を向いて無愛想に謝られた。あれ、あの人よく見えんかったけど高橋くんやない?クラスの女子がよう騒いどる。図書館に行くようなキャラやないと思っとったな、なんてなかなかに失礼なことを考えながら俺も図書館に入る。
・・・
大吾
「しつれいしまーす…」
和也
「あっ大ちゃん!おつかれ〜」
流星くんが声をかけてくれるのかと思ったら、出迎えてくれたのははっすんやった。流星くんははっすんの隣で必死に何かを書いとる。
状況がわからんくって立ち尽くしとったらはっすんが静かに立ち上がってこっちに向かってきた。
和也
「いまやっと集中できたとこやからちょっとまってな、ごめん。どこ座っとってもええから」
大吾
「え、あ、うん」
それだけ伝えてまたさっきの場所に戻るはっすん。アウェイ感がすごくてふたりとはちょっと離れた場所に座った。ただ、座った位置は悪く、角度的に一生懸命何かを書いとる流星くんのことが丸見えやった。
しばらくすると「む」「んぅ」と言葉にならない声が聞こえてきて、はっすんが流星くんの背中を撫で始める。
和也
「よぉ頑張ったなぁ〜、えらいで〜。一回お茶飲んで落ち着こうな」
流星
「ん、んー!」
和也
「よしよし……流星、大ちゃんが来てくれとるよ」
流星
「、ぇ」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。