大吾side
流星
「、ぇ」
俺に気づいた流星くんはバッ!と左側にいたはっすんに隠れてちらちらとこっちを覗いてくる。
和也
「ほら、自分で呼んだんやからお話せんと」
はっすんが優しく言うと「にしはたくん」と小さく聞こえてきた。
大吾
「ん?」
流星
「んと、呼ぶの何がいい?…ですか」
不安そうにはっすんと俺と交互に見る。
大吾
「えーっと、大吾とか大吾くんとか…あ、はっすんには大ちゃんて呼ばれとるよ」
流星
「! じゃ、大ちゃんて呼ぶ、!」
和也
「一緒やん〜!良い呼び方決まってよかったなぁ」
流星
「うん!だ、大ちゃん…!」
大吾
「かわえ〜!敬語も外してええよ〜」
こくこくとうなずいてにこりと笑った流星くんは天使そのものやった。
大吾
「あのさ、流星って呼んでもええ?」
流星
「りゅうせえ?…ん、いいよ」
小さく「流星」と呟くとふふっと柔らかく微笑ってくれた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。