第17話

また明日
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2024/11/29 00:17 更新
部活が終わり、私は着替えに更衣室に向かった。
まだ心臓がドキドキしてる。
それは、部活に入れた嬉しさ、バレーボールを触れた嬉しさ…

そして、黒尾くんが触れた自分の手をまじまじと見た…。

私は頭を横にブンブン振って…
あなた
私ったら何考えてんのよ…!
早く支度して帰ろ!
結んでいた髪の毛をほどき、ジャージから制服に着替えた。
最後に足首に付けていたサポーターを外して足首を撫でた。
あなた
……今日もありがと。
これからもよろしくね。
私は怪我した足首に話しかけた。
自分がプレーするわけではないから負荷はかからないけど、気をつけないとね。
あなた
よし!忘れ物は…ないよね。
更衣室を見渡して忘れ物がないことを確認して、更衣室を後にした。
体育館から出て、駐輪場に向かおうとした時…。
黒尾
あなたの名字!!
あなた
え!黒尾くん、どうしたの?
みんなと先に帰ったと思ったのに。
黒尾
いや、その、もう外暗いから家まで送ってく。
黒尾くんは右斜め上を見て頭をポリポリかきながらそう言ってきた。
あなた
いやいやいや!大丈夫だよ!
これから毎日この時間に終わるわけだし、家が真逆の黒尾くんに送ってもらうわけにはいかないよ!
黒尾
夜道危ねぇからさ。
あなた
私は自転車だから大丈夫!
それよりも、毎日練習であれだけ動いてるんだから、早く帰って、ご飯しっかり食べて、湯船に浸かって、しっかり寝ないとアスリート失格だよ!
黒尾
…ぐぬぬ……。
あなた
はい、わかったら早くちゃんと家に帰って!
私はそう言って黒尾くんの背中をぐいっと押した。
その時、黒尾くんが振り返って私の手首を掴んだ。
あなた
えっ…。
黒尾
なーんて、俺が大人しく帰るとでも思った?ニヤ
意地悪な笑顔でそう言われ、何も言い返せなくなってしまった。
黒尾
俺が送ってくっつったんだから、いいんだよ!
なんだよ、俺と帰るのそんなに嫌か?
あなた
い、いやそういうわけじゃなくて…。
迷惑かけたくないだけで!
黒尾
迷惑ってなんだよ!
そんなこと思ってねぇし、俺がそうしたいから言ってるだけ。
お前が嫌なら大人しく帰るけどー。
あなた
…黒尾くんずるい。
黒尾くんの顔を見るとニヤニヤ顔だった。
完全に遊ばれてる気が…。
あなた
絶対面白がってるでしょ?
黒尾
あー、ごめんて!
違う違う!
その、お前と一緒に帰りたいんだよ…。だから待ってた。
面白がってるわけじゃねぇよ…。
あなた
え……。
黒尾
とーにーかーくー!!
ほら、帰るぞ!!
黒尾くんは私の手首を掴んだまま歩き出した。
なんなのーもーーーー!!!!

そのまま駐輪場に着いた。

黒尾くんは手を出し…
黒尾
ほら、鍵出せ。
あなた
……は、はい。
私はもう諦めて大人しく黒尾くんに自転車の鍵を渡した。
黒尾
なんだよ、嫌なら嫌って言っていいんだぜ?
あなた
違うよ!私はただ早く家に帰って身体を休めて欲しいだけなの!
嫌とかそんなんじゃ…。
黒尾
お前、顔真っ赤だぞニヤ
あなた
うぅ…。
黒尾
…はぁ、とはいえ俺もちと強引過ぎたな。
すまん。
そう言って黒尾くんは私の頭上にポンと優しく手を置いた。
黒尾
部で女子マネージャーを預かってる以上、俺には責任がある。帰りも遅くなるし、何かあってからじゃ遅いんだ。
自転車とはいえ、変なやつらも多いから、頼むから送らせてくれ。
黒尾くんは急に真剣な顔になってドキッとした。
あなた
わ、わかりました…。じゃぁ、お願いします…。
黒尾
あ、ちなみに部活ある日は今日から毎日な!!ニヤ
あなた
へっ?!?!毎日?!?!
黒尾
何か問題でも?ニヤ
あなた
い、いえ…問題はないです…。
ダメだ…この人にはいろいろ勝てる気がしない泣
泣く泣く自転車の荷台に座り、黒尾くんのジャージを遠慮気味にキュッと握って、自転車が走り出す。

帰り道は特に会話という会話はなかった。

夜風が気持ちがいいのと、握ってる黒尾くんのジャージから伝わる体温が心地よかった。

順調に走り、家に着いた。
あなた
ごめんね、送ってくれてありがとう!
黒尾
俺が勝手にやってることだ、気にすんな!
あなた
今日とても楽しかったよ!!
明日からも部活が楽しみ!また明日からもよろしくね!
黒尾
おぅ!!また明日な!!
黒尾くんは私の頭をくしゃくしゃと撫でて、最後に何故か両耳を塞がれた。
そして、急に顔が近くなる。
私はドキッとした。
あなた
へっ??
黒尾くんは一言何か言ったみたいだったが聞こえない。
そして両耳が開放された。
あなた
え、なになに??
黒尾
ひみつ!ニヤ
また学校でな!じゃ!
私に背を向け、手を挙げて黒尾くんは帰って行った。
完全に黒尾くんのペースに乗っけられてしまった…
はぁもう、心臓に悪い…。
というか、最後ビックリした…。
黒尾くんの背中を見送りながら…
あなた
…また明日。
明日も頑張ろ。

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