部活が終わり、私は着替えに更衣室に向かった。
まだ心臓がドキドキしてる。
それは、部活に入れた嬉しさ、バレーボールを触れた嬉しさ…
そして、黒尾くんが触れた自分の手をまじまじと見た…。
私は頭を横にブンブン振って…
結んでいた髪の毛をほどき、ジャージから制服に着替えた。
最後に足首に付けていたサポーターを外して足首を撫でた。
私は怪我した足首に話しかけた。
自分がプレーするわけではないから負荷はかからないけど、気をつけないとね。
更衣室を見渡して忘れ物がないことを確認して、更衣室を後にした。
体育館から出て、駐輪場に向かおうとした時…。
黒尾くんは右斜め上を見て頭をポリポリかきながらそう言ってきた。
私はそう言って黒尾くんの背中をぐいっと押した。
その時、黒尾くんが振り返って私の手首を掴んだ。
意地悪な笑顔でそう言われ、何も言い返せなくなってしまった。
黒尾くんの顔を見るとニヤニヤ顔だった。
完全に遊ばれてる気が…。
黒尾くんは私の手首を掴んだまま歩き出した。
なんなのーもーーーー!!!!
そのまま駐輪場に着いた。
黒尾くんは手を出し…
私はもう諦めて大人しく黒尾くんに自転車の鍵を渡した。
そう言って黒尾くんは私の頭上にポンと優しく手を置いた。
黒尾くんは急に真剣な顔になってドキッとした。
ダメだ…この人にはいろいろ勝てる気がしない泣
泣く泣く自転車の荷台に座り、黒尾くんのジャージを遠慮気味にキュッと握って、自転車が走り出す。
帰り道は特に会話という会話はなかった。
夜風が気持ちがいいのと、握ってる黒尾くんのジャージから伝わる体温が心地よかった。
順調に走り、家に着いた。
黒尾くんは私の頭をくしゃくしゃと撫でて、最後に何故か両耳を塞がれた。
そして、急に顔が近くなる。
私はドキッとした。
黒尾くんは一言何か言ったみたいだったが聞こえない。
そして両耳が開放された。
私に背を向け、手を挙げて黒尾くんは帰って行った。
完全に黒尾くんのペースに乗っけられてしまった…
はぁもう、心臓に悪い…。
というか、最後ビックリした…。
黒尾くんの背中を見送りながら…
明日も頑張ろ。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。