第56話

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2021/06/18 14:03
駿佑side_____






先生「あなたさんは頭を強く打っているので1部、記憶喪失になっています。」
  「特に嫌な時期などの...。」



担当医からそう言われた。


今は病室であなたと2人きり。

他のメンバーは仕事。

俺は午後からoffで。




駿佑「あなた、ゆっくりでいいからなにわ男子のこと思い出して。」


あなた「うん、頑張るね、」
「...ねぇ、なにわ男子ってどういうグループなの?」


駿佑「そやな、関西ジャニーズJr内のユニットで、あなた達年上組が引っ張ってくれとった。」


あなた「ほんまにジャニーズしてたんや、うち笑」


駿佑「そやで。」


あなた「...なぁ、外行きたい。」



あなたが突然言い出した。

振り返ると確かに、

あなたはよく屋上におったからな。



先生に許可を貰い、

あなたを車椅子に乗せて外へ出る。





あなた「やっぱりいいな、空」


駿佑「ほんま?曇っとるけど。」


あなた「駿佑、空にもな顔があるんよ、」
「嬉しい時は晴れて、悲しい時は雨が降って。」
「うちらとおんなじ。」


駿佑「へぇ...。」


正直、あなたの言っている

ことが理解できない。

けど、それを語っているあなたの瞳は

透き通っていた。



あなた「ちゃんと思い出すから。」
「待っとって。」


駿佑「大丈夫、みんな着いてるよ。」



そう言って、あなたの手を握った。





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