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第9話

お節介な後輩 side:楠木

ちんちくりんの後輩が
またくだらないお節介を提案してきた。

椎名まこと
椎名まこと
先輩の更生計画を作ってきたんです
楠木大雅
楠木大雅
は?おい!
ちょっと待て

すげぇ嫌な予感しかしねえ……。

しーなは俺の制止も聞かず
スカートのポケットから小さなメモ帳を取り出した。

楽しそうにそれを見せつけてくるしーなの笑顔に
少し戸惑う。
椎名まこと
椎名まこと
見て下さい!
私なりに考えてきたんですよ!

メモ帳には小さな丸っこい字。
しーなのくせに、可愛い字しやがって。


か、可愛い……だと? 
この俺が女に対して、可愛い……!?
楠木大雅
楠木大雅
 は~くそ、何考えてんだ俺
椎名まこと
椎名まこと
ちょっと
聞いてます?
楠木大雅
楠木大雅
え……あ、ああ
椎名まこと
椎名まこと
先輩の更生計画は
大きく3段階になります
女性に慣れること、
そして触れること、
そして好きになること!
この3つです
楠木大雅
楠木大雅
はぁ?

更生計画というより
女性恐怖症の克服リストじゃねーか。
椎名まこと
椎名まこと
ということで
まずは放課後デートですね!
楠木大雅
楠木大雅
急すぎだろ!
そんなの無理に決まってる
そもそも俺は
更生なんて必要ねぇし……
椎名まこと
椎名まこと
必要ですよ!
私の友達がまだ先輩のこと
諦めないって言ってて
なのでその友達に釣り合う
くらいになってもらわないと!
楠木大雅
楠木大雅
俺の彼女はお前だろ!

思わず言葉が零れた。
椎名まこと
椎名まこと
彼女って……
フリですよね?
楠木大雅
楠木大雅
あ、当たり前だろバカ!

カッと頬に熱がこもる。
なんだか恥ずかしくなって目をそらす。
椎名まこと
椎名まこと
ほのかが先輩のLIME
教えてほしいって言ってるんです
まずはそこからはじめましょう!
楠木大雅
楠木大雅
は?

自分から思ってたより低い声が出た。
椎名まこと
椎名まこと
えっと……
もしかして色々と早すぎました?
楠木大雅
楠木大雅
そんなんじゃねえ
お前、その友達と俺を
くっつけようとしてんの?
椎名まこと
椎名まこと
え?それはっ

口ごもるちんちくりんに胸がざわついて
何だかイライラしてきた。
楠木大雅
楠木大雅
まじで恋のキューピッドでも
やるつもりかよ
だっさー…

なんでイラついてんのか自分でもわからねえ。

椎名まこと
椎名まこと
ほのかに頼まれたから……
楠木大雅
楠木大雅
頼まれたら何でもするのかよ
それって何?お節介なの?
それともテイよく
使われてんじゃねえの?
椎名まこと
椎名まこと
友達をそんな風に言うのは
やめて下さい!
楠木大雅
楠木大雅
あ?俺は今お前のことを
言ってんだよ!
しーなは誰の言うことでも
ほいほい聞くのかってことだよ
椎名まこと
椎名まこと
どうして怒ってるんですか?
楠木大雅
楠木大雅
怒ってねーよ!

振り向くとしーなとばっちり目があった。

小動物みたいな丸い瞳が
俺をじっと見つめてきてまた頬が熱くなる。

俺、熱でもあんのか?
楠木大雅
楠木大雅
くそ……
お前はいいのかよ
椎名まこと
椎名まこと
はい?
楠木大雅
楠木大雅
お前は俺とその友達が
付き合ってもいいのかって
聞いてんだよ!
椎名まこと
椎名まこと
えっ……
どうしてそんなこと聞くんですか?
楠木大雅
楠木大雅
はぁ?!

なんでだ……?

楠木大雅
楠木大雅
そんなの俺だって
わかんねーよ!!

何故かすごくイライラするし恥ずかしいし
俺は咄嗟にしーなに背を向けた。
椎名まこと
椎名まこと
先輩、今日なんか変じゃないですか?
急に不機嫌になったり…
楠木大雅
楠木大雅
うるせえなしーなだって
今日は一段とお節介じゃねーか
どんだけ頼まれても
お前の友達にはLIME教えねーからな
椎名まこと
椎名まこと
そんなんじゃ
ずっと女性が苦手なままですよ
楠木大雅
楠木大雅
俺はこのままでいいんだよ!
お前のお節介なんて
ほんと余計なお世話なんだよ

なぜかクズな言葉がポロポロと漏れる。
楠木大雅
楠木大雅
人の気も知らず
ズカズカ無責任に
踏み込んできやがって

おい止まれ、俺の口。
楠木大雅
楠木大雅
お前のお節介は
こりごりなんだよ
もう顔もみたくねえ!
本当はこんなこと言いたくねえってのに……。
楠木大雅
楠木大雅
女なんて俺には必要ねえ!
椎名まこと
椎名まこと
そうですか……
楠木大雅
楠木大雅
 あ……いや、

振り向くと、しーなは俺を睨んでいた。
椎名まこと
椎名まこと
クズは嫌いです
楠木大雅
楠木大雅
ま、まて

小さく絞り出した声は届かず
しーなは俺をおいて走り去っていった。

俺は結局つまらねー殻に閉じこもるクズ男だ。
楠木大雅
楠木大雅
あ~~~、くそ!
なんで俺はいつもこうなんだよ!

こんな自分は嫌いだ。

でも俺はクズでいる方が楽なんだ。
むしゃくしゃして俺は乱暴に髪を掻き乱した。