アレから１ヶ月、早いようで短い
まだ私は悠太さんを忘れられずにいる

貴）ただいまぁ〜...

『...』

誰の音もしない、なんの音も...

貴）はぁ、寂しいな...

悠太さんのケータイから私の連絡先は
消してある
一緒に撮った写真も全部消した

貴）女々しいな...(笑)

だって、初めてこんな好きになった人だもん
簡単に忘れられないよ...

貴）あぁ、悠太さん...

ケータイに保存したプリクラをみては
心がキュッと締め付けられて涙が出る

高杉さんから連絡がたまに来る
アレから私達は他人だから出た事ないけど

貴）寝ちゃお...

・・・・・・・・・・・・

貴）ん、？

綺麗な花畑の真ん中
花のいい香りとふわっとした優しい風

貴）あ、悠太さん...？

花畑の先に悠太さんの姿が

貴）悠太さん！！

名前を叫んでも悠太さんは
私に気付かない

貴）悠太さん、！！

そして、悠太さんは歩き出す
私からどんどん遠くに

貴）行かないで！！

貴）やだ、！置いていかないでよ、！

どんなに走っても、
どんなに叫んでも、
悠太さんは止まってくれない

貴）悠太さん、！！

貴）ｷｬｯ､!

走っている途中、私は転んでしまった

貴）悠太さん...(泣)

貴）いか、ないで...(泣)

・・・・・・・・・・・・

貴）ﾊｯ､

貴）夢、か...

目が覚め頬にひんやりとした感触

貴）私、泣いてる...

指に触れたのは私の涙だった

貴）はぁ、

琶）もう！！

貴）ﾋﾞｸｯ

貴）わ、琶奏ちゃん、？

琶）最近ずっとこう！
5分に１回ため息ついて！

貴）ご、ごめん

琶）何があったの？
言ってみなさい？

私は琶奏ちゃんに悠太さんの事
悠太さんが忘れられない事を話した

琶）忘れちゃったのか、

貴）うん、私の事なんて
知らないみたいで

琶）そっか、辛かったね

ｷﾞｭｯ

貴）ありがとう、

琶）いいのよ
私に出来ることはこれくらいだしね

貴）早く忘れるね、

琶）ゆっくりでもいいよ
ちゃんと吹っ切って立ち直りな？

貴）琶奏ちゃん...ありがとう、

琶）いいの！大好きなあなたが
落ち込んでるんだから
これくらいね？

貴）私も琶奏ちゃん好きよ！

琶）ふふ、両想いだね！(笑)

貴）そうだね(笑)

琶）よし！笑ったね
その笑顔だよ

貴）うん！

琶）あ、私ちょっと中で
荷物の整理してくるから
外で見ててくれる？

貴）任せて！

そして、1人になり

貴）ん〜、桜あと少しで
ちっちゃうかな...

貴）寂しいな〜、

ふふ、悠太さんと見た桜は
今までで1番綺麗だったな〜

貴）はぁ、神様は意地悪だな〜

貴）好きな人に忘れ去られる事が
こんなに辛いなんて...

貴）悠太さん...会いたいよ、

神様、私の願いをどうか、
どうか叶えてください

『あの、』