この通り、
調査は行き詰まっていた。
控えめに手を振って、クラウスは出掛けていった。
しばらくして、モニカが部屋へ入ってくる。
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何やら店先で言い争いをしている様子だ。
店の外から怒鳴り声をあげる男、
何かを伝言しに来た様子の男、
車内で待機している男…
店主は店の中でだんまりを決め込んでいるらしい。
現場が急激に動かない限りは、
様子見をしようと判断した。
潜伏を始めて早30分。
状況は先程と変わっていない。
現場に乗り込もうとしたその時、
1台の車が店の前に停まった。
店の前にいた男たち、そして車の中で待機していた男も
車から降り、頭を深く下げた。
ちょうど車の影になって降りてきた人物の顔が見えない。
が……
聞こえたのは、間違いなくあなたの声だった。
僕が間違うはずがない。
ずっと聞きたかった、あなたの声だ。
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Happy Birthday To Me∼∼∼∼∼∼!!
誕生日ですケーキ食べます楽しみ🎂
久しぶりにクラウスとあなたが同じ場所にいる…
なんか感動…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!