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第17話

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2021/12/30 08:31
チッ チッ チッ チッ チッ


時計って不思議だ。1秒たりとも止まることなく永遠に同じ動きを繰り返している。

狂いもなく同じ感覚で、時を刻む。それが時計の役目、運命、定め。



廊下にポツンと置かれた柱時計の目の前にしゃがみ込み、左右へ一定に触れる振り子を見つめる。

何か仕掛けがるようにも見えず、中に何か隠されているという印象はとっても薄い。そもそも何かを入れられそうな扉が一つもない。

振り子と私を隔てるガラスに、映った自分の顔をじっとみる。

なんて顔してんだ私、

ふっと力を抜き立ち上がる。



「なんも変わりないね、」

沙耶香は私の隣に立ち、時計の針をじっくりと見つめながらそう言った。

「ただ、動いてるのが凄く不気味」


今までこの時計は飾り、なんのためにここにあるのか疑問を抱いたことすらなかった。

校長先生は言ってた、この時計には噂がある。それも危険な噂が…と、だったらなんでこんなところに置いてあるんだよ。処分しろよっていうのが個人的な意見。


でも、今の状況からして本当に危険であることは確かだ。


脳裏に杏の姿が浮かぶ。苦しそうに、いやもはや痛みも感じられるのかどうかすらわからない苦しみ。

ジクジクと頭が痛む。

杏はまだ図書室にいる、でも息があるかどうかはわからない。どうしたらいいかわからない。


八歩塞がりの状況に置かれた今、どうしたらいいの?

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