18時00分、待ち合わせは学校の楓の木の下。
「あっ、ひなさん〜」
「ふぅ〜君!お疲れ様!」
「早いね〜今ちょうど6時だよ?」
「あ…えっとね、ふぅ〜君に早く会いたいなって思ってたら早く着いちゃってた……」
「っっ…あ〜…だめ…可愛いすぎ…」
俺の恋人は可愛いすぎる。そして出ました、無自覚な嬉しい発言。俺に会いたくて早く来たって…やばい、嬉しすぎる。
今日は久しぶりに俺の家でお泊り。ひなさんと2人で過ごすのは3週間ぶりで、その間そういうこともやってないわけで…。だがその欲でひなさんを傷つけたくない。雨月からもアドバイスを貰ったし、ちゃんと俺の気持ちを伝えよう。
▽▽
「どうぞ〜」
「お邪魔します」
久しぶりにひなさんが俺の家にいる、その絵だけでもやばい。
「お茶用意するね〜」
お茶を飲みながら学校のことを話すのがお泊りの時のお決まりになっていた。俺のいない時間のひなさんのことが知れる。最高だ。
「ん〜?ひなさんどうしたの?なんかそわそわしてる…?」
「えっ?そうかな…なんかね、えっと…ふぅ〜君の家くるの久しぶりでふぅ〜君の匂いばっかりで…ふぅ〜君に包まれてる…みたいだなって…」
–嗚呼、ダメだ。これは不意打ち。–
ギュウッっと雛を抱きしめる。
「…ねぇひなさん、その言葉って無意識…?」
「無意識って?…………あっ…っっ」
かぁぁぁっと自分が言った言葉を理解した雛の顔が赤くなる。これは本当に無自覚だ。
「はぁぁぁ〜〜なんでひなさんこんな可愛いことが言えるの〜?俺それで我慢できなくてもしひなさんを傷つけたらって思って心配なの。」
「あっ…えっと……僕を傷つける?…そんなの気にしなくていいんだよ…!ふぅ〜君のならなんでも…それに……」
–僕だって男だよ?–
耳元で囁かれたその言葉は最高にそそる興奮材料になる。
「…最っ高……」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。