第8話

8話
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2023/11/14 11:20
私とテヒョン別れ、グクは改めて自分の私への気持

ちを再認識するように。

しかし、同時に、私やテヒョンから離れ1人で生きよ

うとしていた大学時代に、耳が徐々に聞こえなくな

る不安を聞いてくれ、そばで寄り添ってくれた奈々

とちゃんと向き合わなければいけないと感じていた

私もまた、グクにとって奈々がどんな存在なのか気

になっていた。

そんなとき、グクのスマホに奈々から着信が。

グクは奈々に何かあったのかもしれないから代わり

に出てほしいと私に頼む。

困惑しながらも私が電話にでると切れてしまった。

すぐに、ビデオ電話と間違えたと奈々からLINEが来

てホッとするグク。

私の問いには、

「奈々は高校卒業後にできた唯一の友だち」

だと答えた。

仕事帰りの奈々は、グクを見かける。

声をかけようとしたが、グクは待ち合わせていた私

と行ってしまった。

紬は手話教室で、正輝がテヒョンと繋がっているこ

とを知る。

春尾から、テヒョンが

「交際していた3年間は、楽しかった」

と言っていたと聞かされた私は、

自分も楽しかったと言う。

さらに、春尾からグクのことを聞かれた私は、

「好きな言葉をくれる人」

だと答えた。

その頃、グクの母が、グクの部屋にあるCDを処分す

ると言い出していた。

父はグクに確認したほうが良いと言うが、

母はわざわざ聞かなくても良いと告げる。

すると、萌は、グクが聞くためにCDをとってあるわ

けではないと自室に運び込んだ。

グクは、奈々ときちんと向き合おうとカフェで会

う。

私のことだと察する奈々は自分の恋が実らないこと

を知り、なんとか引き止めようとする。

しかし、奈々の想いは通じることはなかった。

その夜、奈々は夢を見る。

奈々とグクが電話をしたり、楽しそうに手話を使わ

ず会話をしている。

だが、その夢の世界に音はなかった。

次の日、奈々は手話教室を終えた私を引き留める。

カフェで私と手話で話す奈々は、グクに手話を教え

たのは自分だと言う。

そして、グクからも手話を教わっていると言う私

に、

「プレゼントを包み直して渡された気分だ」

と突きつける奈々。

さらに、グクの声を聞いたことがある私を羨み、自

分のグクへの思いは叶いそうにないと、奈々は泣き

ながらカフェを後にした。

街に出た奈々のスマホにグクから着信が。

すぐに奈々の前に現れたグク。

奈々は泣きながら耳にスマホをあて、グクを見つめ

ている。

奈々を心配して後を追った私は、そんな2人を見てし

まった…。

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