第139話

122話!
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2021/07/08 03:00
紫夜 (you)
紫夜 (you)
は?え、しーちゃん??
全員
『しーちゃん??』
何となく覚えがあるようなその呼び方に振り向くと、


私以外の皆も驚くべき早さで振り向いた。
男子
うわぁ!奇跡だね!
男子
元気だった?しーちゃんのカフェ行ったんだけど、居なかったから…。
身長は高過ぎず、でも普通に顔が整ってて、


美しい桜色の髪色をしている長髪。


全く身に覚えのない、イケメンであった。


だけれども、私のことを「しーちゃん」と、


呼ぶ人物は一人だけ心当たりがある。


だが、あり得ないのだ。


心当たりがあろうとも、私の認識ではあり得ない。
真田 楓
真田 楓
!?…な、なんで…!
紫夜 (you)
紫夜 (you)
え、えーっと、ごめん、どちら様?
男子
忘れちゃったの!?
輝崎 真桜
輝崎 真桜
マオ、だよ?
そう名乗る彼は、こてんと首を傾げてまたふわりと笑った。
紫夜 (you)
紫夜 (you)
マオ、って、は!?あの、
紫夜 (you)
紫夜 (you)
マオちゃん!?
心当たりがある人物、その名はマオ。


彼は自分を認識してもらえた事が嬉しいのか、


にっこりと笑ってくれた。
男子
『!?』
輝崎 真桜
輝崎 真桜
うん!そう!マオだよしーちゃん!
紫夜 (you)
紫夜 (you)
はぇ?でも、マオ、ちゃんは、
女の子、で………え?…???
そう、私の認識で、私をしーちゃんと呼び、


そしてマオなんて人物、私には一人しか心当たりがない。


だって、私の認識では、〝彼〟は〝女の子〟の筈だったのだ。
真田 楓
真田 楓
バーーーーカ!!!まだ気付いてなかったのかこのド天然!!!
紫夜 (you)
紫夜 (you)
え、えぇ!!!??
そしてまさかまさかの気付いていた幼なじみの楓。


有り得ない!!と私に掴みかかりぐわんぐわんと肩を揺らす。
真田 楓
真田 楓
ったく、何でこのタイミング…!
輝崎 真桜
輝崎 真桜
あっ、楓ちゃんですよね!
よくしーちゃんから聞いてました!
芹川 樹
芹川 樹
え、誰??
碧未 翔
碧未 翔
あなたの何?弟か?生き別れの。
三鷹 雪
三鷹 雪
…さぁ、従兄弟とか?
神田 大和
神田 大和
それだったらこの会話起きないだろ。
こそこそと話してるつもりなのだろうけど、


割りと聞こえてしまっている男子×4
紫夜 (you)
紫夜 (you)
あーっと…マオちゃんは幼なじみで、
ご近所さん。
男子
『幼な…じ…み…!?』
輝崎 真桜
輝崎 真桜
しーちゃん、そちらは?
紫夜 (you)
紫夜 (you)
あぁ、えーっとね───
正体が分かったところでニマニマしてしまっているが、


とりあえずで簡単に紹介しようと思い、


後ろを向くと。
碧未 翔
碧未 翔
どーも、こいつ俺らのマネージャーでして。
三鷹 雪
三鷹 雪
大切なメンバーだ。
紫夜 (you)
紫夜 (you)
ちょ、二人とも?友達でいいでしょ。
あと翔重い。肩折れる。
まさかの左と右を包囲され、


挙げ句の果てになんか翔と雪目が笑ってないし、


翔には肩組まれるしあと近い。


男子高校生からする匂いじゃないよ翔くん。
芹川 樹
芹川 樹
てか君、すっごいね!
綺麗で可愛くて素敵な声だね!
神田 大和
神田 大和
樹、男口説いて楽しい?
まあ別にいいけど、敵が減るなら。
これまた二人とも別の目で観察しながら、


マオちゃんに近付く二人。


怖いって、目が。とつくづく思う私と楓だった。
碧未 翔
碧未 翔
つー訳であなたは帰んのか?
紫夜 (you)
紫夜 (you)
まぁ久しぶりだし、積もる話もあるんだろうし…
マオちゃんが良いなら一緒に帰ろうかな。
輝崎 真桜
輝崎 真桜
!いいの!?しーちゃん!!
紫夜 (you)
紫夜 (you)
うん、いいよ。
あやっぱかわいいな~~、


小さいときも子犬みたいだったけど、


やっぱ変わってないな~、耳と尻尾見えるもん。


などと犬バカの様なことを思い浮かべる私だった。
真田 楓
真田 楓
じゃあ私も着いていこうかな~~
久しぶりだもんね~~!
紫夜 (you)
紫夜 (you)
おぉ、じゃあ三人で帰ろ。
真田 楓
真田 楓
いいよね?マオちゃん?
輝崎 真桜
輝崎 真桜
マオちゃんって呼ばないなら!
紫夜 (you)
紫夜 (you)
えっ。
輝崎 真桜
輝崎 真桜
しーちゃんはいいの!
芹川 樹
芹川 樹
ねぇ、俺らも───
三鷹 雪
三鷹 雪
…いや、いいよ樹。楓が多分キレてる。あれはもう放っといた方がいい。
こちらも犬のようにしゅんとなっている樹を、


慰めるように肩を叩く雪。
神田 大和
神田 大和
巻き込まれたいなら行けば?
芹川 樹
芹川 樹
うーんそれはちょっと勘弁!
神田 大和
神田 大和
じゃぁね、あなた、楓。
『ガシッ』
三鷹 雪
三鷹 雪
あなたと楓には悪いけど帰るね。
『グイッ』
芹川 樹
芹川 樹
ぐぇっ!!痛いよぉ大和っち!?
思いっきりシャツの首根っこを掴まれながら、


半引き摺る様な形で小さく手を振る大和。
碧未 翔
碧未 翔
ぐぇ、あの絞まってます三鷹サン。
そしてこちらは容赦なくネクタイを引っ張りながら、


無理矢理方向を変えさせるがそれでも笑顔の雪。
三鷹 雪
三鷹 雪
行くよ。
神田 大和
神田 大和
気を付けてね。
紫夜 (you)
紫夜 (you)
あっうん、じゃーね。大和、雪。
真田 楓
真田 楓
樹くんと翔くん乙で~~す。
あぁもうなんか知らないけれど、お疲れ様。


という意味を込めて見送る二人であった。

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