朱理視点
僕はビルの隙間に居た彼女に一目惚れした
僕は、いつも通り学校が終わって帰路に着いた。
見慣れたいつもの朱色の空、ただいつもより少し肌寒く秋を感じた。
それ以外には特に変わったことも無く、いつも通りの1日だった。
その日、普段は目にも止めないビルの隙間に目をやった。
そこにはとても綺麗な、女の子が居た。
すごく綺麗で彼女から目が離せなくて、僕は彼女に一目惚れした。
普段はこんな事しないのに何故だろうか、声を掛けようと思った。
彼女がいなくなってしまう前に
名前だけでも聞けたらと思った。
だけど彼女は近くて遠いようで聞こえていなかった。
そんな事はわかっていた。
誰も気づいていない、ビルの隙間僕は恋をする様に彼女に見惚れてしまっていた。
いなくなってしまうまで、もう少しいようと思った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。