第3話

ロリコン
70
2024/06/13 12:13
お皿を洗っていると、お兄ちゃんが声を掛けてきた。
太宰治
ねえ。
(なまえ)
あなた
ん?何?
太宰治
ロリコンのおじさんってどう思う?
返答に困る。
キモいと思うけれど、そのロリコンおじさんがお兄ちゃんの知り合いだったら死ぬ。よし、日本人らしくオブラートに包もう。
(なまえ)
あなた
え、あーーーうん。まあ、実害が無ければ良いかな.....
太宰治
キモいと思う?
わざわざオブラートに包んだのに何で問い詰めて来るんだよ。まあ嘘をついたところでバレるだろうから正直に言っておく。
(なまえ)
あなた
うん。まあ。そうだね。
太宰治
だよねぇ。今日も幼女前にして鼻の下伸ばして、「エリスちゃああああん♡」とか言っちゃってさ。吐きそう。
想像以上にキモかった。
何だろう。変態、犯罪者、変質者、ロリコン、犯罪者、そうだな、犯罪者だ。何だろう、ここまでキモいと最早それだけで犯罪と言うか、もう笑えないと言うか。
何かもうどうしようもないというか。
(なまえ)
あなた
う......わあ...
太宰治
あなたの下の名前はギリ対象に入ってないから大丈夫だよ。
(なまえ)
あなた
...因みに対象って?
太宰治
12歳以下。
(なまえ)
あなた
わあ...
本当にセーフだ。現在絶賛13歳。一年前だったら精神的な問題で生命が絶たれていた。
太宰治
本っ当に毎日毎日さあ。気持ち悪い。
(なまえ)
あなた
それはもう同感するしかないかな...
悪口を言うのはあまり好きではないが、もうそのレベルではない。本能的な問題だ。どうしようもない。
太宰治
本当にあの人嫌い。無理。死ねば良いのに。
(なまえ)
あなた
...熱烈..な拒否反応だね。
あっぶね。今、「熱烈だね。」って言いそうになった。あらぬ誤解を生む言い方と言葉足らず、気を付けなければ。
太宰治
彼の人の事考えてたら気分悪くなったんだけど。最悪。織田作のところ行ってくる。
(なまえ)
あなた
うん。行ってらっしゃい。
私が幼かった頃と比べて、お兄ちゃんがこの家に泊まっていくことは減っていった。最近更に忙しそうだし、立場が上がったのだろうか。無理をしすぎなければいい...というのは無茶か。
でも、お兄ちゃんがいつも話してくれる織田作さんや安吾さんとやらが居るのだったら、それで良いだろう。


















と、思っていた。
それから、お兄ちゃんは帰って来なくなった。

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