この学校に来てから数週間がたった。
特にトラブルもなく、平和に過ごしている。
…でも、翔くんと2人だけの時より少し騒がしい。
転校生が珍しいのか、色んな人に話しかけられる。
隣のクラスから昂汰くんがやってきたりもする。
騒がしいけど楽しい。そんな日を過ごしている。
今日は気になっていた本が学校の図書室にあるらしい。と聞いて探しにやって来た。
目当ての本が見つかってその本を取ろうとした。が、ぜんぜん届かない。
必死に背伸びをするがなかなか届かない。
しばらく頑張って取ろうとしていた。
そしてやっと、手が届き、本を取り出した。
しかし、無理やり取ってしまったせいか、上からたくさんの本が降ってくる。
危ない、と察知し、しゃがんで目を瞑る。
もうそろそろ当たるかなと思った。
でも、少し時間が経っても当たっていなかったので不思議に思い、顔を上げた。
そのには翔くんがいた。
そう言って、翔くんは机に座り、本を読み始めた。
私は何か私の体に違和感があることに気づいた。
いつもより、体が熱い。
胸らへんが痛い。でも、外からの刺激とかでもなく、心臓が痛いとかとは少し違う何かが痛い。
これは何?翔くんに相談を…と思った。でも、何故か分からないが他の人に相談してはいけない気がする。
ぼーっとしていると誰かに声をかけられた。
おそらく図書室の当番の人だろう。
噂と聞いて、驚いたが、悪いことが言われてなくて安心した。
少し、沈黙が続き、どうしようかと戸惑っていると笹野さんが口を開いた。
すごく明るい笑顔で喜んでくれて嬉しいと思った。
甘えたように私にお願いをしてくるので何だか断れなかった。
立ち上がろうとして、足を動かすとクシャ、と音が鳴った。足元に視線を向けるとそこには散らかったままの本があった。
存在をすっかり忘れていた…。
花耶が手伝ってくれたので、何とかチャイムがなるまでに片付けを終えることができた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。