第2話

ようこそ、雪男荘へ
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2024/07/15 08:00 更新



ねぇ、翔太。
深澤くん遅くない?



キッチンに立ってビーフシチューをコトコト煮込みながら、ここ雪男荘の長男である宮舘涼太はそう言った。


渡辺翔太
しーらね、どうせ照の奴がちょっかいかけてんじゃね



共有スペースの一角にあるソファーで寝転び、怠そうにそう言うのは彼の幼馴染である渡辺翔太。リモコンを取り、テレビをつけると左上のデジタル時計は既に19時半と表示していた。



宮舘涼太
もう1時間以上経ってるし、さすがに迎えに行ったほうがいいかな
渡辺翔太
心配なら見に行けば?
俺は待ってるからー


ガスコンロの火を止め、エプロンを取ると宮舘はキッチンから出て大きな窓ガラスの向こうを眺めた。渡辺の言葉に「翔太は面倒くさがり屋だね」なんて皮肉ると、彼の反論を聞かずに部屋を飛び出した。



宮舘涼太
あ、君!!深澤くん?
深澤辰哉
ん?



こちらに向かってくる男に手を振りながら声を掛けると、凄い形相で振り返ってきた。


宮舘涼太
うわぁ...どうしたのその顔
深澤辰哉
宮舘...涼太くん?
宮舘涼太
あたり。うちの父がいつもお世話になってます


丁寧にお辞儀をすると、深澤もゆっくりお辞儀をして「こちらこそ」と言った。
さらさらの茶髪に色白な肌、それに丸い瞳は彼の父親の面影を感じさせる。


宮舘涼太
あれ、照は?
ちょっと顔のイカツイ人、迎えに来なかった?
深澤辰哉
嗚呼、途中まで一緒だったよ。でも寄る所があるって途中で別れた
宮舘涼太
やっぱり...ごめんね、自由な奴なんだ。
ある意味、ここの問題児
深澤辰哉
問題児...?


これから同居するというのにそれは悪い知らせだと少し落胆する。でも、第一印象から最悪な彼になにかを期待するほうが無駄だと悟った。



宮舘涼太
...まあ、そのことは追々ね?
とりあえず歓迎するよ、ここが雪男荘



宮舘がそう言って視線を上げると、いかにもレストランっぽい建物がそびえ立っている。


深澤辰哉
下宿屋...?レストランじゃないの?
宮舘涼太
朝と昼間はレストランもやってるよ。裏に下宿屋があって、朝ご飯とかはここで食べていってもいいっていうスタイル

「さあ、入って」と言いながらドアを開けると、視界いっぱいにアンティーク調の内装が広がった。なんというべきか、西洋チックな見た目だがどこか親しみやすさを感じる。



宮舘涼太
さあ、ようこそ雪男荘へ





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