第15話

十四話
「まぁ、幼馴染み水入らずで楽しんでね!じゃあねー」

「……ありがとう」

手を振って、友達の元に戻っていく真帆の背を見送る。

私は、すっとハルアキくんと距離を取った。

「……どうした?あなた」

「だって立場とかいろいろやばいし……」

「別に大丈夫だよ。俺らの高校の教師年寄りばっかだからこんな祭り来ねえ。気にするだけ無駄だって」

ハルアキくんが歩み寄ってくる。私はそれに合わせて、同じ分だけ後ろに下がった。

ハルアキくんの眉間にシワが寄る。

「……あなた」

「だいたいハルアキくんおかしいんだよ。担任なのに、担当クラスの生徒のうち一人だけに構ってちゃダメじゃん。もっと全員を平等に見て、平等に扱わないと」

「待て、お前何の話してる」

「何の話って……」

――私が、ハルアキくんの態度を勘違いしそうっていう話?

あれ?なんで急に、心臓がうるさいんだろ。

俯いた私の頬を何かが伝う。

「……一旦落ち着け?話はそれからでいいから」

ポン、と頭に手を乗せられる。

私は唇を噛み締めて、ハルアキくんに背を向けて走り出した。

「!?おい!」

しかし、簡単に手首を掴まれて止められ、体が後ろに傾く。

ハルアキくんの胸に倒れ込むことは絶対したくなくて、なんとか踏ん張り、ハルアキくんの手を振り払った。

その際、勢いあまって大きく振り返ってしまい、ハルアキくんに顔を見られてしまった。


「……っ」


涙で滲んだ視界に、目を見張るハルアキくんが映る。

私は今度こそ全力で走り出した。