その後、1週間もしないうちに、
世界一の交代、
そして武楽の解散は世間に知れ渡った。
正直な話、どこからそんな情報が漏れるのか、
よく分からないが、
まぁ別に構わない。
話は必然と、武楽が負けたことになっていた。
なのに、その次の日には、
世界一を譲ってもらったという、
本当のことになっていた。
恐らく、あの5人が何かしらで言ったのだろう。
そうやって、どこか嘘がつけないところとか、
本当に私達に似てると思う。
応援したくなるような、そんな魅力がある。
そして12月31日。大晦日。
私は今日の紅白で、サプライズ登場して、
活動を再開した。
紅白って私女だけど、白組なんだよね〜。
まぁ仕方ないけど。
今度ソロ曲とか出すことになったら、
1人で紅組として出たいな…
なんてまたも密かな夢を抱きながら、
今日も香恋を連れて仕事に向かう。
基本的に仕事中、香恋は、
環奈に預けておくか、
美桜に預けておく。
もしくはたまに来る芽郁に、全て任せる。
正直芽郁が1番子供の扱いに慣れてて、
オムツの交換や、ミルクなどは、
手際がいいんだけど、どこか心配だ。
まぁ後は普通に廉に預けてるけど。
そして変わったことと言えば、
私も遂にメイクをするようになったことだ。
薄くだけど、その方が大人っぽいとか、
何とかで…
毎日、香恋のお世話して、
仕事して、
忙しい毎日だけど、そんな日々が、
私は大好きだ。
隣りには廉が居て、
そして近くに、他の5人が居て、
そのまた先に、美桜達が居る。
もう私は1人じゃない。
10年前に想像してた未来とは、
きっと大分違うだろうけど、
全ては私が選んだ未来。
これが、私の最大の幸せだ。
~完~
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。