第62話

好き…
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2020/12/19 09:03

食事を終えて、はるくんの家に帰ってきた。




足元が少しふらついたはるくんを





支えながら帰ってきたが




はるくんは、わたしから離れようとしなかった。






はるくんの香に包まれて






わたしは天にも昇れそうだった。






少しウトウトしていて眠たそうなはるくん。




わたしは、はるくんをベッドまで連れて行き




横にさせて、布団を掛けた。




はるくんは、まだうっすら目を開けてる
美麗
美麗
わたし、酔い止めの薬買ってくるね?

わたしは、そう言ってはるくんから離れようとした




すると…




グイッ!!





はるくんに腕を掴まれ、引っ張られて




気づいたら






押し倒されたかのように






はるくんの顔が目の前にあった。




完全にオス化した顔のように見えたが





どこか寂しそうな顔をしているようにも見えた。
美麗
美麗
うわっ!ちょ、はるくん?!
どうしたの…
晴人
晴人
行かないで
美麗
美麗
え… は、はるくん…?
晴人
晴人
どこにも行かないで…
俺のそばにいて…
美麗
美麗
……
晴人
晴人
俺…今日マジ焦った…
美麗…最近全然連絡返してくんなかったし…
美麗
美麗
……
晴人
晴人
その矢先に…美麗と一緒にいるって大我から連絡くるし…
美麗に電話かけたはずなのに
達也くんが出るし…
美麗
美麗
あ…そ、それは…
晴人
晴人
美麗が好きなんだよ…

酔っ払っているのか




か細く、今にも消えてしまいそうな声で





はるくんが喋り続けた。
晴人
晴人
好きで好きで…
自分でも…どうしようもないくらい…
愛してるんだよ…?

はるくんがわたしの両頬を両手で包んだ。







わたしはその瞬間、後悔に襲われた。




こんなにも





自分を想ってくれてる人はそっちのけにして




勝手に不安になって…





勝手にはるくんを避けて…





ちょっと篠崎さんにあんな事言われたからって






すぐ揺らいじゃって…







わたし…今まで何やってたんだろう…
美麗
美麗
はるくん…ごめんね…?
晴人
晴人
……
美麗
美麗
ごめんなさい…
わたし…だって…好きなのよ…
晴人
晴人
……
美麗
美麗
ほんっとに…ごめんね?

わたしはこれしか言えなかった




今、酔っ払ってるはるくんに





出来事を説明するのは




難しいと思ったから。

すると、はるくんは




わたしにキスをしてきた。
美麗
美麗
んー…んっ、ちょ、

あまりにも長いキスだから、酸欠になりそうになり




はるくんの胸を軽く叩くと





はるくんの唇が離れた。
晴人
晴人
へへへ…美麗大好き
美麗
美麗
はぁ…はぁ…
晴人
晴人
息遣い荒い美麗…たまんなくエロい
美麗
美麗
っ…バカ…

うっすら怪しい笑みを浮かべながら




そんな事を言うはるくん




わたしの首筋に顔を埋めて
美麗
美麗
い…っ

首筋に走る痛み




あの時と同じ痛みだ。
美麗
美麗
も…はるくん…隠すの大変なのよ…、?
晴人
晴人
隠さなくていいやん
美麗
美麗
はるくん…
晴人
晴人
見せつけちゃえば。

そう言うと




わたしの服を脱がせようとした
美麗
美麗
ちょ、ちょ、ちょっとはるくん…!
晴人
晴人
わたしの言葉を無視して




どんどん脱がされていった。




そこでしっかり抵抗しないわたしもわたしだ。

酔っ払ってるはるくんは



いつもに比べると全然力がなかった。




だから、いくらでも辞めさせることはできた。
美麗
美麗
は…はるくん…ダ…メ…

言葉とは裏腹に




わたしの身体は…わたしの心は…






その全てが…はるくんを求めていた。










だから、抵抗など出来なかった。




そこからは、時間なんて忘れて




あの頃の不安な気持ちが





全部全部





はるくんでいっぱいいっぱいになって






忘れていた。

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