食事を終えて、はるくんの家に帰ってきた。
足元が少しふらついたはるくんを
支えながら帰ってきたが
はるくんは、わたしから離れようとしなかった。
はるくんの香に包まれて
わたしは天にも昇れそうだった。
少しウトウトしていて眠たそうなはるくん。
わたしは、はるくんをベッドまで連れて行き
横にさせて、布団を掛けた。
はるくんは、まだうっすら目を開けてる
わたしは、そう言ってはるくんから離れようとした
すると…
グイッ!!
はるくんに腕を掴まれ、引っ張られて
気づいたら
押し倒されたかのように
はるくんの顔が目の前にあった。
完全にオス化した顔のように見えたが
どこか寂しそうな顔をしているようにも見えた。
酔っ払っているのか
か細く、今にも消えてしまいそうな声で
はるくんが喋り続けた。
はるくんがわたしの両頬を両手で包んだ。
わたしはその瞬間、後悔に襲われた。
こんなにも
自分を想ってくれてる人はそっちのけにして
勝手に不安になって…
勝手にはるくんを避けて…
ちょっと篠崎さんにあんな事言われたからって
すぐ揺らいじゃって…
わたし…今まで何やってたんだろう…
わたしはこれしか言えなかった
今、酔っ払ってるはるくんに
出来事を説明するのは
難しいと思ったから。
すると、はるくんは
わたしにキスをしてきた。
あまりにも長いキスだから、酸欠になりそうになり
はるくんの胸を軽く叩くと
はるくんの唇が離れた。
うっすら怪しい笑みを浮かべながら
そんな事を言うはるくん
わたしの首筋に顔を埋めて
首筋に走る痛み
あの時と同じ痛みだ。
そう言うと
わたしの服を脱がせようとした
わたしの言葉を無視して
どんどん脱がされていった。
そこでしっかり抵抗しないわたしもわたしだ。
酔っ払ってるはるくんは
いつもに比べると全然力がなかった。
だから、いくらでも辞めさせることはできた。
言葉とは裏腹に
わたしの身体は…わたしの心は…
その全てが…はるくんを求めていた。
だから、抵抗など出来なかった。
そこからは、時間なんて忘れて
あの頃の不安な気持ちが
全部全部
はるくんでいっぱいいっぱいになって
忘れていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。