【Felix side】
ある日の夕食後。
僕はテーブルに肘をつき、少し考え込むような表情を浮かべていた。
その言葉に、ジナは箸を置いた。
分かっていた。いつか必ず向き合わなきゃいけないこと。
でも、互いを失う恐怖が大きすぎて、心の奥で先延ばしにしてきた。
強い声で言い切るジナに、僕は安心して微笑んだ。
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まず打ち明けたのは、共通の親友たち。
緊張で体が強張る二人を前に、沈黙が数秒続いた。
けれど一番に口を開いたのはチャンビニヒョンだった。
その言葉に場が一気に和み、ハンが
と、笑いながら肩を叩いてきた。
安堵で力が抜ける僕の手を、ジナはそっと握ったまま離さなかった。
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次に、家族。
僕は電話口で母に切り出した。
一瞬の沈黙に鼓動が早くなる。
しかし母は柔らかく笑った声で言った。
涙が自然と溢れた。
ジナもまた、自分の家族に伝えた。
そしたら、お父さんは黙って頷き、お母さんは「支えてあげなさい」と背中を押してくれたらしい。
そうして僕たちは、恐れていたものから解き放たれた。
仲間にも、家族にも受け入れられて。
ただ「二人でいること」が祝福される――そんな未来が本当に訪れるのだと実感する。
夜、肩を寄せ合って眠る前に呟いた。
ジナは僕髪を撫でて、低く答えた。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。