見回すと、辺りは暗闇に包まれていた。
何処だろうか、ここは。
それに、いつの間にか服も変わっている。
暫くすると、辺りが明るくなってきた。
息ができない。震えが止まらない。
私が居た場所は、昔、私が父親に虐待されていた場所だった。
私は後ろに下がろうとしたら、ポスッと当たった。
皆が去っていく。
私も追いかけようとするが、誰かに掴まれていて前に進めない。
目に入ってきたのは、知らない天井に、知らない部屋。
ここは...
さっきの悪夢のせいで、息が荒れている。
汗が出ていてじっとりと身体に張り付いていて気持ちが悪い。
腕の震えも暫くおさまらないだろう。
いつの間にか、目から涙がこぼれてきた。
誰かに聞かれまいと、必死に声を押し殺す。
怖い。皆に嫌われることが。
怖い。また、あの頃の生活に戻るのが。
怖い。誰からも必要とされなくなるのが。
???side
司書が嫌いだった。
何やら、新しい司書が来たという噂を聞いて、絶望する。
また、千慧のように暴力や暴言を吐かれるのかと。
新しい司書を見るために行くと、何故か倒れていた。
何があったのか聞くと、いきなり司書が倒れたらしい。
司書だから触りたくないが、どうすれば良いのかと皆慌てていた。
司書は大嫌いだ。なのに彼女を見た時、心を揺さぶられた。
何処かで知っている。
彼女は助けなければならない。
そんな使命感に襲われた。
知らぬ間に彼女を抱え、補修室に向かおうとするが、生憎入れるスペースがない。
自分の部屋に入れるのも嫌なので、千慧が使っていた部屋に彼女を運ぶ。
正直、こんな部屋には来たくなかったが、仕方ない。
彼女をベッドに運ぶ時、眼鏡が少し外れた。
掛け直そうとした際、彼女の顔を見た。
何処かで会ったような近親感が芽生える。
彼女に眼鏡を掛け直した時、
そして部屋を出て、〇〇の元へと向かった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。