まふまふside
そう言ってあなたちゃんの目の前に
インスタントのラーメンを置く。
あなたちゃんの手料理………
楽しみだな~…
なんて思いながらラーメンを食べ始める。
涙目になって、辛さで顔は誇張して、呂律が回ってないあなたちゃん。
………なんか…
い、色っぽい………?
じーっとあなたちゃんの顔を見つめる。
危ない危ない。
僕の理性……壊れそうだった…
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
手を合わせて大きな声でそう言う。
『ちゃんとごちそうさまって言うの、
礼儀正しくて好きだなぁ……。』
なんて思っていると、
あなたちゃんが困った顔で聞いてきた。
パジャマ………パジャマなら…
勢いで言っちゃったけど………
彼氏がいる女の子にこんなこと言っちゃ駄目だよね……
いや。そもそも家に止めてる時点でアウトか…。
なんて考えがグルグルと頭を巡る。
けど……
あなたちゃんはそんな僕の考えなんて
関係なしにキラキラした瞳で僕を見てお礼を言った。
それだけ言って、自分の部屋へと向かい
なるべく小さめのサイズのTシャツをタンスから取り出す。
なんて呟いてクスッと笑ってみる。
あなたちゃんは昔からそうだった。
いつもキラキラした瞳で僕を見てくるんだ。
そして、
いつも笑顔でお礼とか、
素直な気持ちを僕に向けて言ってくる。
そんな君が……
ずっと、昔から大好きなんだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。