第9話

同心
2
2024/06/27 11:00
お鷹
お鷹
気をつけておくよ
お鷹
お鷹
(そうだ、久しぶりにあいつのお世話にでもなるか)
そう思ってお鷹は、近くにある二八そばの屋台に向かった。
蕎麦をすすっていると、
松乃
松乃
お鷹、久しぶりね。最近あってないから、私のこと忘れちゃったのかと思ったわよ
お鷹
お鷹
ああ、久しぶりだな
将吉郎
将吉郎
お鷹さん、久しぶりでやんすね
松乃
松乃
ふふ、私はね、今ここで魚釣りをしていたのよ
松乃
松乃
でも、なかなか捕まらない
お鷹
お鷹
偶然だな。私も今、その魚を狙っているんだ
将吉郎
将吉郎
(いつもいつもこの二人に振り回されるんだから…)
お鷹
お鷹
そうだ
お鷹
お鷹
私の新しい家族を紹介したい
松乃
松乃
あら、いつの間に契りを結んだの?あれほど男には興味がないって言っておきながら
お鷹
お鷹
違う!
お鷹の声が、夜の江戸に響き渡った。
将吉郎
将吉郎
お鷹さん、静かにしてください
将吉郎
将吉郎
後、先生もですよ
将吉郎
将吉郎
人のことをいろいろと言わないでください
松乃
松乃
つまんないの。ほんの冗談のつもりなのに
将吉郎
将吉郎
先生の冗談はたちが悪すぎるんですよ
松乃
松乃
ま、暇なときに会いに行くよ
松乃
松乃
これと、お酒持っていくからね
そういって松乃は、たもとから巾着を取り出した。
巾着を開けて、硝子ガラス瓶を取り出した。その中には、金平糖が入っている。二、三粒つまみ出し、口に入れた。
お鷹
お鷹
またなー
お鷹が家に帰ると、まだお桃は起きていた。
お桃
お桃
遅いじゃない!せっかく誠之助さんからお団子を頂いたのに、固くなっちゃったわ
お桃
お桃
あたしはもう寝るから、自分で温めて食べてちょうだい
そう言ってお桃は、布団に入った。

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