第2話

助けられなくて
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2019/06/08 22:46
ショッピが家に帰って、鬱先生は台所に行きかけたコネシマの服の裾を引っ張った。
それに脚を止めて、コネシマは鬱先生の言葉を待つ。
鬱先生
なん、でなん?何で、ショッピ君が無理しなきゃいけへんの?何で僕は、ショッピ君の力に、なってあげられへんのや?僕は、何も、できないやんか!次は、ショッピ君が、いなく、なりそうで、嫌や!自分の無能さ、に、腹立つ!何で、平気そ、に、笑って、居られるんや……っ!
うぁあ、と泣き出してしまった鬱先生の頭を撫でて、コネシマは窓の外を見た。
冬にしては日差しは暖かく、春にしては寒すぎる外に静かに焦点を合わせ、外を歩く後輩の後ろ姿を見て目を閉じた。

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