第38話

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2020/06/07 07:04




















- 転校してきてから半年くらい経った頃





女子:なぁなぁなんばさん!




あなた:?なぁに?




女子:なんばさんのうちっておかあさんいないんよな!?









- 『 うちのおかあさんがいってたん! 』と言う女の子

どこからその情報が出回ったのかはわからない

後から知った話,

お父さんとその子のお母さんの職場が同じらしい









男子:え!?なんばさんおかあさんおらへんの!?




男子:え,まじで?かわいそー




女子:りこんしたん?




女子:なんでりこんしたん!?









- 面白がって聞いてくるクラスメイト

何から答えていいのかわからなかった




























ガンッ






























- 誰かが机を蹴飛ばした

しかもかなり思い切り

蹴られた机は倒れていた









男子:なんやねん,あつむ




男子:くっそびびったわぁ!










- 机を蹴飛ばしたのは侑くんだった

侑くんを見た周りの子達はけらけら笑う





























侑:おまえらがうるさいからやろが




























- そう言った侑くんの声は

今までに聞いた事の無いほど低く

その表情は

今までに見たことの無いくらい怖かった









男子:なんや?おこっとるん?




男子:なんであつむがおこっとるの?




侑:ともだちのいやがることいわれたらおこるやろが!!









- 侑くんはそうやって怒鳴った

あたしを庇うように前に立って









侑:おやのりこんなんて,あなたがわるいわけやないし,そんなんいえのかってやろ!?










- 『 つらいのはあなたなんやから

すこしはきもちかんがえろや!! 』と言う侑くん










男子:あ………ごめん………




男子:ちょっとふざけすぎたわ……










- クラスメイトが次々に謝ってくる

『 わかればええねん 』って彼は言ってくれる

あたしは____









あなた:ッ………




侑:ッ!?どうしたん!?あなた!!









- ポロポロと涙を零してしまった

それを見た侑くんが焦っている









侑:ごめんな,いややったよな……



















- まるで自分が悪いことをしてしまったかのように
































悲しそうな顔をしながら頭を撫でてくれる































『 もう大丈夫やで 』って優しく言いながら__































あたしはこの時,気付いてしまった































______侑くんが好きなんだって









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