2回戦の相手は、伊達工だ。
あのちょー失礼なやつが居たとこ!!
伊達工の応援は覇気がある。
何だっけ、鉄壁がなんとか…みたいな噂を聞いたことがある。
鉄壁ってことは、すごいブロックなんだろうな。
両者のエースが握手を交わす。
あなた「がんばれ…!」
ぎゅっと自分の手を握りしめる。
アップが始まる。
うちは落ちたボールを拾い、カゴの中に入れていく作業をした。
ゆうくんの番の時。
ノヤ「ローリング………サンダアアアアアアアア!!!!」
くるくるっと回って決めポーズ。
その場がシーンとなる。
日向くんだけが目を輝かせていた。
ノヤ「ふん…決まったぜ」
ドヤ。
田中「のやっさん、ナイスレシーブwキレッキレじゃねーか!…技名以外ww」
ノヤ「💢技名もキレキレだろーが!!」
日向「教えてー!アゲインも教えてー!!」
あなた「うちもうちも!」
菅原「あなたちゃん正気?」
うちの目が輝いていたからか、菅原先輩は何も言わなくなった。
ノヤ「はっはっは!日向とあなたは良いやつだな!今度教えてやる!」
いぇーい!!と日向くんとハイタッチをする。
先生とコーチに苦笑いされた。
ノヤ「っしゃあ!心配することなんか何も無ぇ!」
…?
ノヤ「皆ぁ、前だけ見てけよ!」
「背中は、俺が守ってやるぜ」
あなた「…っ」
小柄な彼の大きな一言に、ドンと胸が打たれる。
田中日向影山「「かっ、かっこいいいいい!!!」」
その一言に、ほかの皆も影響されたようで。
キラキラと目が輝いていた。
うちは2階席に戻り、試合開始。
全員「「お願いっしゃーす!!」」
まずは、伊達工のサーブ。
宙に高くボールを投げ、打った。
それを大地さんが拾い、影山くんがトスの体制に入る。
影山くんは後ろに身体を逸らせ、そこに居るのは日向くん。
大きく振りかぶり、綺麗に打った________はずだった。
伊達工の人が素早くブロックに入り、気持ちよくボールを打たせてくれなかったのだ。
何とか日向くんは力加減を変え、ボールは相手コートへ。
危なかったが、1点目は取れた。
あなた「対応が早すぎる…」
彼らの速攻に怯えず、もう着いてきた。
伊達工、恐るべし…。
ー試合割愛ー
''鉄壁''の伊達工に、烏野はどんどん追い込まれていく。
どんなスパイクを打っても、ついてくる。
確か…リードブロック、だっけ。
伊達工の二口さんがサーブを打った。
田中先輩がそれを拾う。
それと同時に、日向くんはすごい速さで走り出した。
シュッ パアアアアンッ!!!
あなた「な、に、今の…」
速すぎて見えなかった。
影山くんのトスから、うちの視線はボールに追いつけなかった。
あなた「す、…すごいすごい!ナイスー!!」
日向「っしゃあああ!!」
伊達工のコーチも驚いている様だ。
そりゃそうだよね、マネのうちも驚いてるから。
月島くんとゆうくんが交代した。
月島くんの試合…初めて見るな。
あなた「頑張れっ、月島くん!」
声援を送ると、彼は少しだけこちらを見て。
こくん、と小さく頷いた。
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読んでくださりありがとうございました!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。