第123話

排球部の夏休み①
2,961
2021/04/28 22:00

とうとう予選に突入しました!


というわけで、予選を楽しみにしてくださっている方々には申し訳ないのですが、あなたちゃん達の夏休みを少し覗いてみようと思います!



見なくていーや……って方は、見なくても大丈夫です!多分!!


でも、夏休み編は少し長くなっちゃうかもです…💦



それでは、本編どうぞ!

ーーー


母「もー、いつまで寝てるの?もう10時よ?」


あなた「うー…まだ寝るもん」



まだ夏休みは始まったばかりでしょ?


楽しい合宿も終わって、いつも通りの練習が始まった。


今日は、そんな練習だらけの日々の中の、貴重な休みである。寝なくてどうするんだ。


うちは、今日は一日中寝てやるんだ。誰に邪魔されようと、寝るんだ。



その時、うちの携帯に1つのメールが届いた。


ベッドの中から机に手を伸ばして、携帯を手に取る。日向くんからだ。



ヒナタ
ヒナタ
ねね、今日夏祭りあるんだって!!あなたも一緒に行かない!?
ヒナタ
ヒナタ
一年生全員で!!







夏……祭り…!?




あなた「行くー!」



母「うるさいわよ」











というわけで、日向くんの言葉に火がついたわたくしでございますが。


皆浴衣着てくるのかなぁ。1人だけ私服ってそれはそれで嫌だし。


でも、自分の棚を探しても、浴衣は見つからなかった。


リビングに行き、テレビを見てくつろいでいるお母さんに声をかけてみる。


あなた「お母さん、浴衣ってあったっけ?」


母「あー……あれもうサイズが小さいから捨てちゃったのよね」


あなた「そっかー……」


母「今から買いに行ってきたら?まだ時間はあるし」


あなた「…うん、行ってくるね!」


幾らかお金をくれたお母さんにお礼を言い、うちは外に出た。










あなた「あっつー……」


バスから降りると、そこはもう地獄であった(バス1人で乗るの怖かった)。


炎天下の中、日焼け防止の長袖を着てるんだから余計暑い。


上下ジャージ、さらにキャップを被るという、オシャレをすべきこの年に何をやってんだと言われそうなこの格好。


まぁ、焼けないためにはこうするしかないのである。



暑いなんてずっと考えてちゃダメか。音楽でも聴こうっと。



『誰だって可愛く変わりたいんだ  知らない顔しても意識し合ってる』



可愛らしい声が、イヤホン越しに聞こえてくる。


これを歌っているキャラクター、成海聖奈ちゃんの声優である雨宮天さんの声は、暑すぎて溶けそうになっているうちを癒してくれる。





そうやっていろいろな音楽を繰り返し聴いて、心も和んできた頃。



ガッシャーン!



どこからか、何かが倒れる音がした。何があったのか。


曲がり角のところから聞こえたため、慌ててそこに近づいてみると。




??「いたたた……」



長身の男の子が、自転車と一緒に地面に倒れていた。



あなた「あわっ、ひゃ、110番!!あれ、119番だっけ?!」


??「あ、いや…すみません。大丈夫です。ありがとうございます」


あなた「あ、……」


生きてた。


急に我にかえり、人見知りであるうちは角に隠れてしまった。あぁ、お前は本当に高校一年生か。



??「えーっと……」


困惑している彼は、同い年くらいに見える。彼も高校生だろうか。でも、やけに背が高い。


そして彼は、足を怪我していた。


転んだ時に擦りむいたようで、膝から血が出ている。


あなた「それ……大丈夫ですか?」


??「え…?わわっ、血が出てる!でもこんなの、すぐ治るしっ、放っておけば」


あなた「だめです」


ビビり散らかしていたうちは何処へやら、カバンの中のポーチから大きめの絆創膏を取り出した。


あなた「足、出してもらっていいですか?」


??「え?…うん…」


素直に差し出してくれた足に消毒をして、絆創膏をゆっくりと貼ってやった。



あなた「こんな、かんじ…かな?……って!!!すみません!!勝手なこと、」


??「いやいや!!ありがとうございました!!あの、そのジャージ…」


あなた「え?…あ、うち、烏野のバレー部のマネージャーやってるんです」


??「烏野!?バレー部の!?」


いきなり身を乗り出してきた彼にびっくりして、ポーチを思わず投げてしまった。


??「俺、白鳥沢っていう高校でバレーやってるんす!1年の五色工です!もしかしたら、予選で会うかもですね!」


白鳥沢……バレー……?



あなた「あ、ですね…」


コミュ力お化けの彼に気圧され、少しだけ後ずさる。



あなた「う、うちは、1年の兎和です…よろしくお願いします」


五色「はい!」




??「おい何やってんだ」


後ろから冷徹な声がして、慌てて振り返る。



そこには………斜めぱっつんの男の子が。



あなた「え、っと、…?」



五色「あ、白布さん!!烏野のマネージャーさんと会ったんですよ!」


白布「ふーん、それより、自転車壊れてるけど。……で」


あなた「ひっ…」


いきなり尖った視線を向けられ、全身が固まる。



白布「……烏野のマネ……ね。ふーん」


彼はうちをジロジロ見た後、フッと余裕の表情で笑ってきた。



白布「せいぜい一勝頑張って」





イラァぁぁぁぁっ!!


何あいつ!!先輩か同級生か知らないけどムカつく!!



うちは、それだけ言って去っていく白布?さんにあっかんべーをした。



そして、親しげに手を振ってくる五色くんに、クールダウンさせられた。











プリ小説オーディオドラマ