第22話

勘当
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2020/08/30 03:19
……
持っていた写真を暖炉に投げた。

パチパチという音がして、まもなく紙切れは燃え尽きる。
家族写真だ。

娘と、自分と、今は亡き愛しい妻の。

国を統べる吸血鬼の王の目には、もう誰も映ってはいなかった。
✳ ✳ ✳
ニア
ええっ!?
私、勘当されたの!?
ジルエスタ
そうだ。今朝発表された。
お前はもう姫さんじゃないってことだよ、姫さん
ニア
ややこしいわね!
王家からの勘当。

おかしい。今朝だって「行ってきます」と言ったら「気を付けて行ってらっしゃい」って笑顔で…というか鼻の下伸ばして言ってたのにさ。
ジルエスタ
王命反逆罪…ってお前何か従わなかったのか?
そんなことはないと思うけど……
そもそもそんなに話さないけど

家族仲は良いと思うよ?
ニア
あ、飲んで前世を忘れろって言われた薬飲まなかった
ジルエスタ
…しょうもねー…
そのくらいしか思い付かないんだよ!
ジルエスタ
たぶん、お前が勘当されたのと罪人っていうので
生徒の目が厳しくなってるんだな
ジルエスタ
まぁ気にするな
うん。


コクリと頷くが…どうも納得できない。
どうしていきなり勘当なんてしてしょうもない罪をなすりつけたのよ!

今度会ったら問い詰めてやる!



私は鼻息荒く決意を固めた。


──なんとなく。




お父様……国王陛下とは。
もう、会えないような、気がした。

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