僕がスマホいじってるの見ながら、おかんも自分のスマホ取り出して悩んでる。
おかんのスマホを見ると、ちょうどおとんからメッセージが来たとこ。
叫んでたらおかんが笑ってた。
「当たり前やろ!お父さんやで!」って怒りながら。
そう言いながら操作の仕方を教えてあげると、分かった瞬間おかんが僕からスマホが見えないように隠した。
口をふくらませて言うと、「絶対見せへん」ってちょっと悪戯っぽい顔。
気付かれないようにそーっと覗いたら・・
ー気を付けて帰ってね
なんてメッセージの後に、でっかいハートマークや!
それ見て叫んでたら、おかんが「なんで見てるんよ!」とまた笑いながら怒ってる。
おとんとおかんのこういう所、僕、大好きやねん。
「おとんとおかんって、なんで結婚したん?」
小さい頃から何度も、同じ質問をした。
おとんとおかんは恥ずかしそうにするけど、いつもちゃんと笑って話してくれた。
その話が好きやから、
その話をするときのおとんとおかんが大好きやから、
僕は何度も何度も同じ質問をした。
おとんはおかんが世界で1番大好きで、
おかんはおとんが世界で1番大好き。
僕の、自慢の両親。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。