この学校には、不気味な噂が七つ、存在している。
一番目から七番目、長く現世に留まり続ける凶悪な怪異達だ。
私は、それを倒さなければならない。
『藤原家』の名に懸けて。
パチパチパチ…
転校生としてこの学校へ足を踏み入れた私。
クラスメイト、そして教室を覗きに来ている数匹の怪異への第一印象を『怖い奴』と認識させるべく、キッと皆を睨みつける。
その姿に怖じ気づいた怪異は半分ほど、クラスメイトは.......ほぼ全員と言ったところだろうか。
コツコツと気品ある風貌で歩く。
私の家柄が家柄なので、その辺は小さいときから嫌と言う程身に付けさせられた。
…今となっては、それも感謝すべきだなと思うけど。
話し掛けてきたのは隣の席の女の子。
可愛らしい雰囲気で、是非仲良くなりたかったのだが、
まだ怪異が教室に残っている。
あぁ、ほら、悲しそうじゃん!何やってるのよ私は(
ふと、教室の何処かからそんな声が聞こえた。
教室はしん、と静まり返っていたため、嫌に響いてしまったようだ。
声に気付いたであろう担任が、注意しにかかる。
しかし、私も黙っているわけにはいかない。
バンッッ!!
私の声と被る形で、机を叩く音が教室に響いた。
そして、勢いよく立ち上がる人影が視界に入った。
赤み掛かった髪が良く映える、メガネを掛けた真面目そうな雰囲気の男子生徒だ。
『控えめな性格の人ならこのクラスにもいるじゃないか。』と意図が全く分からない発言で、説教をする。
確かにそうなのだけれど!
態々言われると否定し辛いっていうか!?演じ続け辛いっていうか!?
そろそろ止めた方がいいかと思い、俯いたまま呟いた。
顔は、髪の毛で隠れてきっと見えない。
再び静まり返る教室。
そりゃそうだ。必死に庇ったのに結局は突き放したんだ、皆私を嫌な奴だと思ったことだろう。
と担任が先程の生徒を呼び止めたことを合図に、教室は、恐らく日常であろう喧騒を取り戻した。
そんな中で、私は一人、廊下へと出た。
大きなため息一つ。それから、
早速、一目惚れしちゃいました。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。