第29話

かまって.jin
886
2018/02/14 06:58
《☆イニ☆side》



いつもじん、じんって俺を呼んで
かまってって言ってくる彼女、あなた。



それがいつも可愛くて
つい意地悪して、iPhoneを触る。



…の、はずなんだけど今日は。



『いいの?え、やったあ、絶対いく!!』



さっきから誰と電話をしてるのか
ずっとずっと喋ってる。



…今日も待ってるんだけどなあ?



それから、何分も何分も
ずっと家でじっとあなたの言葉を待つ。



『本当に??もう優しすぎwww』



こんな長電話する人いる?



そろそろ、拗ねてきちゃってさ。



じ「ねぇ、それ、誰?」



突き放すような口調で言ってしまう。



『え、あ、私?これテオくん!!』



全然俺の気持ちに気づいてないみたいで
それが何故か余計にむかついて。



__ブチッ、



『え、ちょ、じん』

じ「何?」

『いや、話してたん、だけど』



俺は態度悪くしてるつもりないのに
あなたは怒ってるように見えたようで



それ以上は何も言わなくなった。



『…ごめん、ね?』



ぽつりと呟く。



じ「なんでそんなに話してたの?」

『…じん、が』



言いにくそうに口を開くあなた。



『…いつも、かまってくれない、から』

『…だから、ごめんなさい、』



なんだ、そんなこと。



そろそろ意地悪して
楽しんでるって察してると思ってたけど



やっぱりあなたは鈍感で。



じ「…もう、しない?」



顔を近づけて言った。



キスをされると思ったのか
ぎゅっと目をつぶるあなた。



今日はしてあげない。



って、そう思ったけど。



え?って顔で下から見つめて来るから。



じ「…ごめん、無理、」



今日は多分、寝かせられない。

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