ざわついていたホール内がより一層ざわつき始める。
楽しそう、ね‥‥‥
え?何?その間抜けな顔‥‥‥。あれ?ま、まさかだけど‥‥‥‥
中島さんはきょとんとしている。
ここにも一名、きょとんとしている奴が‥‥‥
楽しそうな声がしたと思ったのと同時に、ホールの天井から大きなモニターが現れた。
モニターの中では、一人の青年が椅子に座っていた。
髪は青みがかっていて、瞳は黄金。
まるで、ファンタジーに出てくるような瞳だった。
青年の座っている椅子の両サイドには、二人いる。
右には奇妙な目が描かれた紙で顔を覆っている、高身長の青年。
青年は腕を組んでいた。
左には糸で縫ったような口が描かれた紙で顔を覆っている、ボブヘアーの少女。
少女はモニター越しに手を振っている。
黄金の瞳を持つ青年は自分の名前を口にした。
高身長の青年は、さらさらの髪を揺らした。
ボブヘアーの少女の喋り方は、何か独特感があった。
デスゲーム‥‥‥?
すると、シシビの声と重なるようにして参加者の非難の声が多く聞こえた。
その声に続き、そうだそうだ!と同調の声が殺到した。
すると、シシビは笑った。
──────────怖い。
シシビの笑顔は、とても冷酷で、殺気に満ち溢れていた。
───────殺す。
───────「命の保障はしません」。
まさか、ね‥‥‥。
その時、私の中で悪寒が走った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。