第5話

862
2019/05/26 13:30
???
『地獄に堕ちた皆さん、おめでとうございます!』
???
『さぁ、地獄ゲームを始めましょう!』
ざわついていたホール内がより一層ざわつき始める。
芦阿 波戸
おいおい、まじかよ‥‥‥
中島 春
でも、ゲームって楽しそうだよね!
楽しそう、ね‥‥‥
鳥羽 蛍
″命の保障はしない″んだから、楽しくはないでしょ
中島 春
‥‥‥え?命の保障?
え?何?その間抜けな顔‥‥‥。あれ?ま、まさかだけど‥‥‥‥
鳥羽 蛍
詳細、見てないの?
中島 春
詳細?
中島さんはきょとんとしている。
芦阿 波戸
何だ?それ
ここにも一名、きょとんとしている奴が‥‥‥
???
『はいはーい!ちゅうもーく!』
楽しそうな声がしたと思ったのと同時に、ホールの天井から大きなモニターが現れた。


モニターの中では、一人の青年が椅子に座っていた。

髪は青みがかっていて、瞳は黄金。
まるで、ファンタジーに出てくるような瞳だった。


青年の座っている椅子の両サイドには、二人いる。

右には奇妙な目が描かれた紙で顔を覆っている、高身長の青年。
青年は腕を組んでいた。

左には糸で縫ったような口が描かれた紙で顔を覆っている、ボブヘアーの少女。
少女はモニター越しに手を振っている。
シシビ
僕はシシビ!宜しくね!
黄金の瞳を持つ青年は自分の名前を口にした。
ウシビ
‥‥俺はウシビ
高身長の青年は、さらさらの髪を揺らした。
サシビ
私はサシビだヨ!宜しくネ!
ボブヘアーの少女の喋り方は、何か独特感があった。
シシビ
僕たちはこのゲームの管理人さ!何かあれば僕たちに聞くと良い!
シシビ
あっ、そうそう!この地獄ゲームデスゲームの参加者を僕らは参加者ゲーマーって呼ぶからね!宜しく!
デスゲーム‥‥‥?
シシビ
それでは、地獄ゲームのルール説明を‥‥‥
すると、シシビの声と重なるようにして参加者ゲーマーの非難の声が多く聞こえた。
参加者ゲーマー
どういうことだよ!
参加者ゲーマー
早く家に帰して!
参加者ゲーマー
何なの!?これ!
その声に続き、そうだそうだ!と同調の声が殺到した。
参加者ゲーマー
家に帰せ!
参加者ゲーマー
ふざけんな!ガキ風情ふぜいが!
すると、シシビは笑った。


──────────怖い。

シシビの笑顔は、とても冷酷で、殺気に満ち溢れていた。
シシビ
途中棄権は可能ですよ?
シシビ
ですが、途中棄権をすれば‥‥‥
ウシビ
俺が殺す
サシビ
コロス!
シシビ
‥‥‥ということです。死にたくなければ棄権はしない方が良いかと!
───────殺す。

───────「命の保障はしません」。


まさか、ね‥‥‥。





その時、私の中で悪寒が走った。

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