第2話

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2020/03/11 10:15
あなたside
次の日の朝。
私は校舎を前にして絶句していた。
椎野(なまえ)
椎野あなた
(やっぱり、無理だ。)
昨日、ウィキペディアから出てきた写真そのものだった。
いざ、校舎を目の前にすると足が震えて、上手く歩けない。
椎野(なまえ)
椎野あなた
(ほんとにここであってるの…?)
周りは、いかにもお嬢様・御曹司のオーラを放っている生徒で溢れている。
椎野(なまえ)
椎野あなた
場違いなんじゃ…。
そう呟いた途端、
女子生徒
女子生徒
キャー!ダンス王子ー!
女子生徒
女子生徒
キャー!目合っちゃった!
女子生徒
女子生徒
天堂光輝くーん!今日もかっこいい…!
突然の悲鳴に振り返る。
堂々と歩く3人の男子生徒。
周りの女子は、その男子生徒に道を開けるように端に寄って、悲鳴をあげている。
椎野(なまえ)
椎野あなた
天堂、光輝…?
耳に入った名前らしき言葉に首を傾げる。
その途端、私は誰かに引きづられた。
茂みに突き飛ばされる私。
その拍子に大きくしりもちをついてしまった。
女子生徒
女子生徒
何やってんの!王子が通るでしょ!
椎野(なまえ)
椎野あなた
お、王子…?
女子生徒
女子生徒
見ればわかるでしょ?王子が通る時は道を開けるの。
椎野(なまえ)
椎野あなた
な、なんでですか…?
女子生徒
女子生徒
なんでって……。
女子生徒
女子生徒
ま、まぁとにかく。こうやってアピールでもしておかないと、私たちは王子に見向きもされない。家柄関係なく、王子がが1番なのよ。
椎野(なまえ)
椎野あなた
?
なにかあったんすか…?
突然現れた、赤髪の生徒。
女子生徒
女子生徒
…っ、光輝くん…。
天堂光輝
天堂光輝
大丈夫?
光輝。そう呼ばれた赤髪の生徒は、しりもちをついている私にそっと手を差し伸べてくれた。
椎野(なまえ)
椎野あなた
あ、ありがとうございます…。
小田島陸
小田島陸
何この状況ー。
日浦海司
日浦海司
光輝、どうかしたか?
さっきの『王子』と呼ばれていた3人がこの場に集まる。
女子生徒
女子生徒
…っ、この子が道の真ん中でぼーっとしていたので、た、助けてあげただけです!
椎野(なまえ)
椎野あなた
…っ、ごめんなさい!
周りが騒ぎに気づき、続々と人が集まる中、場違いだということに恥じらいを抱き、思わずその場から駆け出した。
『王子』
確かにあの3人はキラキラしていた。周りのお金持ちの生徒とは違う、周りを引き寄せるオーラがあった。
でも、これで気づいた。
私とは住む世界が違うんだって。

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