光輝side
なんでだろ…。
近いようで遠い感じ、届きそうで届かない感じ。
足首がズキズキと痛む。
目の前には天井。
暖かい布団にくるまれている。
そう言いながら、起き上がる。
どうやらここは保健室のようだ。
ずっと下を向いて、こっちも見てくれないあなた。
無理してるような笑顔を見せるあなた。
俺が取りだしたのは、あの日拾ったペンダント。
あなたは、泣いていた。
初めて見る涙。その奥には嬉しさが募る笑顔が見えた。
俺は、あなたの頬をつたる涙を拭う。
少し冷たいあなたの頬。
この顔を誰にも見られたくないし、見せたくない。
手は頬から顎に伝っていた。
見つめ合う目と目。
勝手に顔があなたの唇に近づく。
あと、1cm近づけばキスしそうなほど近く。
もう少しだけ、このままでいさせて。
…
急にしきりのカーテンを開ける竜。
ビクッとして、俺はあなたから離れベッドに潜り込む。
あなたは、猛スピードで保健室を出ていく。
ベッドの中でさっきのことを思い出して顔が熱くなる。
急に布団の温もりの温度が上がった気がした。
まだ、心の鼓動は止まらなかった。















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!