第13話

もう少しだけ…。
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2020/04/01 15:29 更新
光輝side
なんでだろ…。

近いようで遠い感じ、届きそうで届かない感じ。
足首がズキズキと痛む。

目の前には天井。
暖かい布団にくるまれている。
椎野(なまえ)
椎野あなた
光輝先輩…?大丈夫ですか?
天堂光輝
天堂光輝
うん、大丈夫。
そう言いながら、起き上がる。

どうやらここは保健室のようだ。
椎野(なまえ)
椎野あなた
ほんとは私…
天堂光輝
天堂光輝
椎野(なまえ)
椎野あなた
気づいてたんです…。怪我してるってこと。
椎野(なまえ)
椎野あなた
でも、私じゃどうにもできなくて…。
ずっと下を向いて、こっちも見てくれないあなた。
天堂光輝
天堂光輝
…俺は、あなたの笑顔を見たくて頑張ったんだよ。
椎野(なまえ)
椎野あなた
天堂光輝
天堂光輝
だからさ、ほら。笑って? 
優勝できたんだから。
椎野(なまえ)
椎野あなた
…はい
無理してるような笑顔を見せるあなた。
天堂光輝
天堂光輝
あっ、これ。
椎野(なまえ)
椎野あなた
え…?
それ、どこで拾ったんですか?
俺が取りだしたのは、あの日拾ったペンダント。
天堂光輝
天堂光輝
やっぱりあなたのだったのか…。
天堂光輝
天堂光輝
本当は、もっと早く返すつもりだったんだけど…。
渡すタイミング分からなくなっちゃって。
天堂光輝
天堂光輝
ごめ…ん?
椎野(なまえ)
椎野あなた
ありがとうございます…!
あなたは、泣いていた。

初めて見る涙。その奥には嬉しさが募る笑顔が見えた。
椎野(なまえ)
椎野あなた
無くなったのかと思った…。
天堂光輝
天堂光輝
早く返せなくてごめん。
もう泣かないで…。
俺は、あなたの頬をつたる涙を拭う。

少し冷たいあなたの頬。
この顔を誰にも見られたくないし、見せたくない。

手は頬から顎に伝っていた。
椎野(なまえ)
椎野あなた
…?
見つめ合う目と目。
勝手に顔があなたの唇に近づく。
あと、1cm近づけばキスしそうなほど近く。


もう少しだけ、このままでいさせて。
京極竜
京極竜
おっ、光輝大丈夫か?
急にしきりのカーテンを開ける竜。
ビクッとして、俺はあなたから離れベッドに潜り込む。
京極竜
京極竜
あなた、どうした?
顔赤いし…熱でもあるんじゃ…?
椎野(なまえ)
椎野あなた
っ大丈夫です!
あなたは、猛スピードで保健室を出ていく。
京極竜
京極竜
急になんだ…?
ベッドの中でさっきのことを思い出して顔が熱くなる。

急に布団の温もりの温度が上がった気がした。
天堂光輝
天堂光輝
(俺何やってんだろ…。)
まだ、心の鼓動は止まらなかった。

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