ジュリくんと手を繋ぎBARを出た
家までの道のり
名前は、樹と書いてジュリと読むこと
彼女は、今は居ないこと
あのBARには、時々顔を出すこと
私と同じ25歳だということを知った
そう言いながら、走った…
バタッ…
思いっきり転んだ…
大人になってからのこういうケガ痛いよね…
酔って、ちょっとわけわかんないのもあって
気付いたら泣いてた
道に座り込んで、泣いた
樹から差し出された手を掴み、なんとか立ち上がった…
勢いよく立ち上がったせいで、樹の胸にぶつかってしまった
そう言い、樹の顔を見上げた
はずだったのに…
気付いたら、樹とキスしてた
深夜で誰も居ない道で
唇と唇を合わせるようなだけのキスなのに
唇を離した後、目が合って
どちらからともなく
またキスをした
樹と手を繋いで、家に向かった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。